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信用取引の闇(2)金利

どなたからも全く反響のない信用取引シリーズですが、今回は信用取引の金利はどうやって計算するかという話です。

細かいようですが、信用取引の場合、証券会社のページに書かれている通り金利は約定価格に対して計算します。これはどの証券会社でも一緒だと思います(もし違っていたら教えてください)。

例えばですが、500円の株を新規建て(売りでも買いでも同じ)して、その株価が下落して400円になったとします。この時に、400円に対して金利を払っていると思っている人もいるのではないでしょうか?(恥ずかしながら、私は最近まで漠然とそう思っていました)

でも実際は、上記のリンクで説明されている通り、金利は新規建てした 500円に対してずっと計算されています。ということは株価がいくらになろうと 500円に対する金利です。これは普段はあまり気にする必要はないのかもしれませんが、ストップ安などで500円の株価が400円くらいまで下がったとすれば金利は20%も違うことになるので無視できないレベルだと思います。

ロールオーバー

金利は約定価格に対して計算されるということは、約定価格を変えてしまえば金利を安くできることになります。すなわち、もし新規建て後に株価が下落したら、

  • 所有している建玉を成り行きで返済注文を出す

  • 同時に同じ株数だけ成り行きで新規建て注文を出す

この操作によって、信用取引の建玉を維持したまま約定価格を変更することでき、その結果金利を減らすことができます。

このように、売りと買いを同じ数量で行うという売買をロールオーバーといいます。日本語で言えば買い直し(あるいは売り直し)ですかね。ロールオーバーは一見すると意味のなさそうな行為に見えますが、今みたいな約定価格の変更や益出し/損出しの他、口座変更(特定口座で売ってNISA口座で買うとか、A証券で売ってB証券で買うとか)でも行われます。

ということで、信用売りをしていて大きく利益が出た時はロールオーバーをすることを強くおすすめします。この操作によって返済と新規建ての2回分の売買の手数料が必要になりますが、今はどこの証券会社も手数料が安いのですぐに元が取れると思います。さらに、優遇プラン等で手数料無料なら迷う必要はありません。

同様に、信用買いをしていて株価がかなり下落し、大きく損失が出た時もロールオーバーすれば金利は下がりますが、この場合はロールオーバーしている場合ではなく、単に損切りしたほうがいいと思います。今回の話とは違う話になってしまいますが、迷わず切りましょう。

おまけ

ちなみに、信用取引とは関係ない話になりますが、証券会社に株を貸す貸株でもらえる金利は、約定価格ではなく時価で計算されます。気になって調べたら信用取引とは違う結果になりました。つまり、株価は毎日変動するので、貸株金利も株価に連動して毎日計算して支払われているということになります。

以上どなたかのご参考になれば幸いです。


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