相場の下落に強い投資信託
株式市場は夏までは順調でしたが秋になって下落することが増えてきました。毎日つらい日々が続きますが、これから株価が下がりそうだと感じたら、みなさんどうしますか?
持ち株の一部(あるいは全部)を売却して現金を増やす
株価を見ない、あるいはひたすら耐える
債券を買う
売建(空売り、ベア/インバース買い、プットオプション買いなど)
どれも正解だと思いますし、このうちどれを選ぶかは投資方針によると思います。ただ、選択肢の下に行くほど技術が必要になってきます。なので、例えば安易に売建をしたりするのは余計に損失を増やす可能性があるので、初心者の方はやめたほうがいいと思います。
ちなみに、債券を買うという選択肢が気になった方はこちらをご覧ください。かなり安全確実なので、投資でつらい思いをしたくないという方は最高の選択肢だと思います。
さて、ここからが本題ですが、ここでは上記のいずれでもない選択肢として、相場全体が下落時でも利益を出せる(可能性がある)投資信託を紹介します。
ヘッジファンドという選択肢
ここで紹介するのはヘッジファンドです。投資信託では、価格変動抑制型と呼んでいるようです。
これは別に難しいものではなく、例えば 2914 JT株は高配当株なので配当をもらいたい、でも株価下落はどうしても避けたいという場合に、
JT株を100万円買う、と同時に
TOPIXを100万円売る
という売買をするのがヘッジです。これによって、仮に JT株が TOPIX と全く同じ動きをすれば、JT株の配当分だけ利益が出ます。つまり、相場全体(TOPIX)がどれだけ暴落しようとも、それに依存せずに利益を出せる可能性があります。
この考え方で、実際にはいろんな銘柄の株を少しずつ買い、市場全体のインデックスを売ってセットにしているのがヘッジファンドです。なお、上の例では市場全体として TOPIX で説明しましたが、正確には株価指数先物を売っています。このあたりの説明は本題から逸れるので省略しますが、ここでは TOPIXと考えておけば十分です。
ここでは具体的に3つの投資信託をご紹介します。詳しい方で、これ以外にもあったら是非コメントで教えてください。
日本配当追求株ファンド(価格変動抑制型)
世界株配当収益追求ファンド(価格変動抑制型)
AR国内バリュー株式ファンド
ヘッジファンドの弱点
いいことばかり書きましたが、ヘッジファンドにも弱点があります。
通常は大きな利益は得られない
損が出ないという訳ではない
相場全体が上昇している場合に恩恵が得られない
ヘッジファンドは要するに、市場平均(TOPIX)よりも上昇した分だけ利益が得られるという仕組みなので、そういう銘柄を探すのが簡単ではないことは容易に分かります。よってそれほど大きな利益は通常期待できません。株価の下落を気にせずに配当分(年数%)ぐらい取れればいいかな、と考える方に向いていると思います。逆に、組入銘柄が上昇しても、TOPIX 以上の上昇にならなければ損失になります。
また、相場全体の下落に影響されないということは相場の上昇にも影響されません。よって、上昇相場の時は普通に他の株や投信を買ったほうが儲かります。従って、ここで紹介したヘッジファンドは相場下落時の資金退避先(リリーフ投手)として使うか、もう相場の騰落には一喜一憂したくないと思う人が長期安定して資金を預ける先としていいかもしれません。
3ファンドの比較
次に、ここで紹介した3ファンドの比較です。まず投資対象ですが、最初から順に、日本の高配当株、世界の高配当株、日本の割安株に投資しているところが違いになります。
チャートですが、日本株の2ファンドは好調ですね。世界株配当収益追求ファンドは横ばいで元気がないですが、これは為替の影響だと思います。このファンドは対円での為替ヘッジを行っている関係で円安時には不利で、本来得られているはずの配当分の利益が円安で吹き飛んでいるのだと思います。なので円安はそろそろ終わりで今後は緩やかな円高になるのでは、と予想される場合は有利に働くと思います。
最後に、3ファンドの6ヶ月の騰落率は下記の通りです。
+4.27% 日本配当追求株ファンド(価格変動抑制型)
-0.62% 世界株配当収益追求ファンド(価格変動抑制型)
+5.94% AR国内バリュー株式ファンド
途中でも述べましたが、いずれも数%の変動でそれほど大きくないのが分かります。前述の通り世界株配当収益追求ファンドは円安の影響を受けていますが、それでも -1%程度で済んでいるのは安心して見ていられるのではないでしょうか。
まとめ
株式投資は危ない、怖いというイメージを持つ方も多く、実際に全財産を失ったり借金したりする話も耳にします。でも、定期預金に近い感覚で安心して投資できる選択肢もあるというのを知っていただけるとうれしいです。
投資は自己責任で。
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