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和式洋式のフーガ

筆者:クレ(@analyze_foot)


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ポジショナルプレーについて長い間議論が起きてますね。

最近は、和式洋式なんて表現で語られているようで、いわゆる洋式がポジショナルプレーに当たるみたい。正解不正解は別として、個人的にこの呼び方は好きじゃないですが。

さて、記事の本題に入る前に筆者個人のスタンスをハッキリさせておきたいと思います。
個人的には、ポジショナルプレーは大好きだし導入出来るのであればすぐにやってほしい派の人です。

ところでこのタイトルのフーガは、イタリア語で対位法を用いた音楽形式の1つを指すんだそうです。

対位法は、お互いに独立していながらも良く調和して重ね合わされる技法のことらしいです。

そう、お互いが違いながらもうまく噛み合わさった状態とも言えます。

これこそがいわゆる和式洋式の議論の個人的な結論です。

どっちが正しいか決めるんではなくてお互いのいいところをうまく取り入れて行こうということです。

今シーズンJリーグを席巻したポジショナルプレー

さて、特に今シーズンのJリーグでは、ポジショナルプレーを導入しているチームが結果を残しました。

最近は、海外サッカーが簡単に観れるようになりJリーグでも「ヨーロッパのチームのスタンダードになりつつあるポジショナルプレー」が猛威を振るったことから、ポジショナルプレー待望論が各地で巻き起こったのだと考えています。

しかし、マリノスと神戸が優勝したからと言って、ポジショナルプレーを取り入れられば優勝出来るわけではないんです。当たり前ですけどね。

いつの時代もサッカースタイルにはトレンドがあります。2010年にはスペインがW杯で優勝し、ペップバルサが欧州を席巻したティキタカ隆盛の頃には多くのチームが華麗なポゼッションサッカーを目指したが結果を残せず挫折しました。

多くのクラブは、ポゼッション率こそ上がるもののシャビもイニエスタもいないことや、そのようなプレースタイルを体現できないことを身を持って持って知ることとなりました。

ポジショナルプレーは、単にトレンドの1つである

今現在のポジショナルプレーも例に漏れずトレンドの1つでしょう。もちろん原理を深く突き詰めるとスタンダードになって差し支えない考え方だと思います。

しかし、ここで大事なのは、今現在愛するクラブにはどのような特徴の選手がいるのかを知ることです。

そして、クラブ哲学と自分達の保有している選手やコネクションを照らし合わせて最適解を各クラブが見つけなければならないのです。

マリノスには、ポジショナルプレーを実践する監督とニーズに応えるフロントとスカウト網があった。

神戸にも同様で、彼らはマリノスほど緻密なスカウティングはないけれど、圧倒的な資金力があった。

当たり前ではありますが、リーグ優勝の条件は相対的なもの。モンドセレクションのように基準をクリアすれば必ず達成出来るものではないのです。(モンドセレクションごめん)

フランクに例えると、コートを着こなす人はオシャレだが、コートを着ている人がオシャレとは限らないということです。

つまり、例えば偽SBを正しく使いこなせば優勝に近づくが、優勝するためには偽SBを使わなければならないわけではないのです。

もし、使うだけで優勝なら単純な話みんなが使うし俺だって使う。

それにむしろ、こぞって偽SBを使うなら大外に速くて強い選手を置くチームが勝ち出す時代が来ることになるでしょう。

あくまで流行なだけであって勝利の方程式の正解をポジショナルプレーに限定するのはかなり勿体無い。

各クラブが共通して目指すべき方向性

クラブにはそれぞれ個性があります。

もし、個性がなくて悩んでいるクラブがいれば今ポジショナルプレーに取り組むのは真剣ならば応援するべきでしょう。間違いなく。

個人的な定義だが、ポジショナルプレーは、個の能力を最大限発揮するための仕組みと考えています。

その意味では、どこでも導入して正解かもしれません。しかし、マンチェスターシティのようなサッカー=ポジショナルプレーと考えているのであれば話は変わってきます。

仕組みや個性丸ごと作り替えるほどの意気込みがあるなら別ですが、安易に流行っていると手を出すのは危険。

特にJリーグクラブのような財力では、そんなに美味しいとこだけつまみ食いし続けるクラブ運営をするのは不可能と言って差し支えない。

その意味では、少し安直なチョイスに見える清水エスパルスの結果は注目してみると面白いかもしれません。

ニュースを鵜呑みにするのであれば、カウンターサッカーに疑問を持っているのに篠田さんと反町さんとクラモフスキーが同じテーブルに並ぶこと自体不自然でしょう。

最後に

ここまでの論調だと、「この人はポジショナルプレーに反対の人なんだ。」と思われるかもしれないので改めて念押ししますが、ポジショナルプレーは大好きです。

週末は、シティの試合で脳汁を垂らしている人間です。今年は少し物足りないですが。

それはさておき!
ただ、とりあえずポジショナルプレーやれば勝てるやろって言うのだけは腑に落ちないだけなんです。

自分達クラブが持つ武器がある中で、相手がある中で絶対的な正解を雑に決めてしまうのは少し投げやりだと思いませんか。

軸がしっかりした上でトレンドを取り入れるのが長続きするコツです。

ジャンルは変わりますが、歌舞伎の歴史なんかは象徴的だと思うので、興味がある方は調べてみてください。

何はともあれお読みいただきありがとうございました。

答えが用意されている、決まっているものにこんなに議論は起きない。

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