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【8】BARRAGE (バラージ)

各プレイヤーが水力発電の開発CEOとなり、欧州の代表としてダムや発電機の建設をして得点を取るワーカープレイスメントボードゲーム。

自分の番ではワーカーを使ってアクションを行なっていく。
①ダムの建設
②ダムの増設
③水を汲み上げる取水塔の建設
④発電機の建設
を主軸として必要な資源や資金を集めていく。少しずつ回路が出来上がると、ダムから放水し発電を行なっていく。発電量や施設が増えれば増えるほど得点やラウンド開始時の収入が増えていく拡大再生産も良い味を出している。

テーマとゲームシステムの噛み合わせが良すぎている。ダムを建設して発電するという、ボードゲームにしては現実的なテーマを扱っているのだが、このテーマのお陰でゲームシステムがスッと頭に入ってくる。テーマの大事さを改めて実感した。

水の流れを予測して施設を建設していく必要があり、他プレイヤーが放水した水で自分が発電するというような循環がある。これにより、他プレイヤーの一手一手が重要な意味を持ってくる。日本では田んぼの水を引くために村同士が争っていたらしいが、まさにこのゲームを通してそれを体験できる。

ワーカーの数は増えも減りもしないので、最初から最後までアクションの数に変わりはないが、資源が増えることで打てるアクションの幅が増える。ワーカー1個あたりの価値は変わらない中で、いかにその1個の効率を上げるかに尽力していく。

また、特に印象的だったのは「建設のシステム」。建設に必要なコストはサプライに支払うのではなく、自分の支払いエリアに置く。他の施設を建設することなどを通して数手番後に、支払った分だけ返ってくる。つまりは、使い回しになっている。これにより、資源を得るアクションが少なくなっているが、うまく回るようにできている。

コンポーネントやボードの種類が多いため、かなりのスペースが必要。ただ、一つ一つの作りが丁寧で個人ボードはレイヤー(コマを置く凹み)になってる。

手番でやることはシンプルだが、自分のエンジンが拡大していくことで出来ることが増える仕組みは重ゲーとしての良い例。要素も必要最低限に抑えられている。

他プレイヤーの取水塔を使わなかったり、ダムの置き方を誤解していたりと、本来のゲームの形をまだ見れていないのでぜひもう一度やりたい。1日1回やれば十分な重さだが、持っておきたい良作。

評価は【8】点。

(運1:9戦略)

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