見出し画像

童貞は、早く卒業したほうがいい

💴有料設定していますが、すべて無料で読めます。

---

なんの話や、という感じだが、先日はじめてAKB48の劇場公演を見に行くことができてしまった。

AKB自体けっこう好きな方だと思うんだけど、CD買ったり、ライブに行ったようなことはないようなファン。でもバラエティ番組が好きで隈なく見てるから姉妹グループのメンバーまである程度メンバーの名前がわかってしまう。

 2016年の3月からかの有名な秋葉原の劇場公演に応募しはじめて、2020年の2月に初当選するまで一般で応募すること133回。もはや桜木花道もびっくりの振られっぷりだなぁと我ながらその当たらなさ具合に笑ってしまうのだけど、あのドンキ8Fの小劇場のキャパシティを考えると、最後に応募できる限られた人数の一般枠はこんな当選率なのだろうと思う。


 秋葉原のドン・キホーテ8Fにある劇場の前につくと入り口で当選番号を伝える。まずはチケットを買うのだが、ここで本人確認書類(免許証)などで本人確認をしてチケットを購入する。ここまではOK。

在籍メンバーの顔写真が飾ってある廊下を通り抜けると、これまた見たことある少し開けたシアターの入り口前に出る。1時間前に到着しているのにすでにファンが集っている。一度下のゲームセンターでボンバーガールを遊びつつ時間をつぶしていると、8Fへのエスカレータはチケットを持った人しか入れないように係員が立つようになっていた。

30分前に入り口に戻ると、もう100人規模の人数がなにかの規則にしたがって列をつくっている。かばんの持ち込みがNGとのことなので、ロッカーを探すがもちろんない。少し焦ったがクロークがあったので、財布とサイリウムを抜き、上着と荷物を預けてからどう並んでいるかわからない不明列に紛れる。

入場抽選がある。というのはメールに書いてあったので理解していたが、一体どんなものなのかわからないまま時間まで待機していると、係員が遠くからとても長い注意事項を案内している。どうやら入場から早いもの順で席を確保していいこと、入場の際に空港ばりのくぐるタイプの荷物検査があることがわかった。

突然遠くから、「第一回抽選結果!」という声がすると集まったファンが一斉にチケットに目を伏せ、続いて「70番!」と声がかかる。番号を言う前に少し間を持たせるのが小気味良いのだがきっと係員の中では「だだだっん!」といったSEが流れてる。自分の番号は74番だ。
それで理解したのだが、チケットに記載している番号順で入口前に縦に待機し、そのまま順番順に前から入場させる仕組みだったようだ。
1−10台の10人単位で列になっていて、しかも前から若い番号順でしっかり並んでいるのだった。これまでのライブではチケットの番号そのものが入場順とだったので、そんなの初見でわかるかいっ。

1桁単位でしっかり確認して入場していくので、70番台の列が順に入場している中、自分の番号が呼ばれると途中から紛れて入場するのだが、そこでもチケット、本人確認書類提出がありもたつく。

さらにゲートを通る前に、財布などをカラーボックスに入れて預ける空港式なのだが、そのカラーボックスもスルーするしてもたつく。初見さんのもたもたっぷりがぱない。

 入場すると、一番最初に呼ばれたかいもあってステージの一番前の席が空いていることに気づく。こ、これはマジかよ。
しかも、センターバミリが見えるぐらいの位置だ。しかしさすがに恥ずかしい!初見さんで盛り上がれないわということでしっかり遠慮しておいた。それでもしっかりと2列目の席を確保。

奇跡的に前の方の席は確保できたが、ステージが横に広く映画館のようにあまり前に座ってしまうと、全体が見づらく顔もあげないといけない。
これはステージが低いので、顔をあげないとずっと足を見てる変態さんのようになってしまうので注意が必要だった。一時期、そんなようなことが批判されていたようなことがあった気がしたが、理由を少し理解する。

背の高いメンバーはダンスで目につきやすいし、低いメンバーは少しオリジナリティを持って工夫したダンスをする。有名メンバーはやはり目立つのだが、それ以外にも「あの子気になる」というメンバーをなんとなく見つけてしまうし、劇場が小さいからメンバーがどれだけ頑張ってるかというパフォーマンスが(文字通り)見えるのはすごく大きい。

当選までに苦労したこともあり、公演後そのチーム自体に思入れを感じたのだけど、これはメイド喫茶なんかで受けたお給仕してくれたメイドさんとチェキを撮りたくなる感情に近くて、大きな会場で遠くからモニター越しに見る欅坂では感じなかったことなんですよね。

最近は特に坂道グループが全盛期なので、さらにイメージが増してついてしまったのかもしれないけど、世間の持つAKBの印象って、可愛くない・パフォーマンスレベル低い・王道ポップソングって感じかなと思うけど、そんなこと無い。

僕が見た劇場公演は、シングル一曲もやらないから聴いたこと無い曲しかやらなかったんだけど、それでも「いいな」って思えるような曲のクオリティなんですよね。
全盛期はそういったコンセプトアルバムめいた演目をばんばん作って、劇場のみでやっていたのだから、ほんと売れるべくして売れたよくできたグループだなと心から思う。ダンスも近いから迫力があるし、普通にうまい。AKBをクオリティ低い、可愛くないというのはちょっともう無理がある。

このように公演がはじまると、いままでバラエティ番組やSNSなどを見て話にだけは聴いていた劇場あるあるを続々と体験することになるのだった。


このように初見のもたもたや、言葉だけじゃなく体験して理解できたことが多くあり、無事AKB劇場童貞を卒業したわけだが、ここまでたどり着くのに3年近くかかってしまったわけだ。

はじめてのことに怖気づいてしまうのは、人間なら誰しも感じる感情だと思うけど、一度やってしまえば2回目からは躊躇していたのはなんだったのか?と思うぐらいすんなりやり遂げることができたりする。

帰りのお見送り会でも、中高生の多くいるメンバーの前を恥ずかしそうに童貞感丸出しで通ってしまうおっさんも、数回通ったら笑顔で手を振るぐらいな成長ができるのかもしれない。

そういった初回の恐怖を感じて、簡単なことにチャレンジしないのは魔法の使えない魔法使いを生み出すだけだ。童貞を失ったあとの世界は、元の世界となにも変わらないが、初回の恐怖から逃れることができた開放感はとても気持ちがいい。

意識ハードルが低くなると、同じことでもどんどんチャレンジできるようになる。世界が変わるっていうのはそういう可能性が広がるってことだ。
今回、AKB劇場にはじめて行けたことでなぜかこんなことを思ったのだが、初体験は貯めずに早く体験できるに越したことないって、改めて思う。

そう、童貞は守ってはいけない。

ここから先は

0字

¥ 100

よろしければサポートお願いします。 投げ銭で頂いたものはコーヒーやラムネなど創作のお供に返させていただきます。