東京バレエ団 ベジャール・ガラ
2022年7月22日
東京文化会館
ネタバレです。
プログラムを買わなかったので、誤解などあるかもしれません。
ベジャールの作品を生で見るのは久しぶり。諸々の事情でS席をゲット。近くて表情がよく見えた。ただしフォーメーションが見えないのが残念。難しいところ。
「ギリシャの踊り」
自分のなかのザ・ベジャール作品。昔は上半身裸の男性がかっこいいなんてベジャールのダンサーくらいだった(私見です)。日本人男性は上半身裸になると貧弱になってしまったものだ。
それがずいぶん体格が良くなったなあ。脚も長くなったなあ。それだけでも感心してしまう。
男性が上半身裸でゆるいパンツに対し、女性はレオタードとタイツ。黒でボートネックで五分丈(?)の袖あり。上半身はきれいに見えるのだけれど、お尻が貧弱に見えた。しかもタイツはまくって裸足になっていたので、まくったラインが見えると、短足に見える。女性の衣装、どうにかならんか。上半身レオタードで下半身は男性同様のパンツじゃダメ?
足立真里亜は子どもっぽく見えてしまうのが損。
伝田陽美(1人ポワント)はきれい。
ブラウリオ・アルバレスは体格だけで目立つ。彼に比べると日本人はまだまだ貧弱。今回、体格だけじゃなく、のびのび踊っていた。
「ロミオとジュリエット」秋山瑛と大塚卓
ベルリオーズのきれいな曲。後半に男性が数人登場。プロコフィエフのバルコニーのシーンと重ねて見ていたが、どこまでストーリーが進んだのかわからなかった。二人の死を象徴したのか?秋山・大塚ペア、よかった。
「バクチⅢ」上野水香と柄本弾
赤いレオタードがこれだけ似合うのは上野だけか。これまで彼女のクラシックのグランは見てきた(といっても大した数ではない)が、どれもイマイチだった。今回はよかった。長い手足を十分に使っていた。対して柄本は手首がきちんとポジションになってなかったような。
「火の鳥」
火の鳥とパルチザンの関係がわからず。火の鳥とフェニックスの関係がわからず。パルチザンの踊りはいいな。火の鳥の池本祥真はずっと踊り通しで疲れたか。けっこうばてていたような。
最後に火の鳥の衣装の男女が出てくるのだが、きれいだけど、それも意味がわからず(だったらプログラム買えよ)。
ベジャール作品は腕が長くないとダメなのだな。特に肘から下が長くないと、きれいに見えない。
ゆっくりした動きだと、曲のずれやバランスの崩れが目立つ。いわゆるクラシックではない、ベジャールっぽいポーズを真似しているだけ(悪く言うと、ちょっとバランスをずらすとベジャールっぽく見えるだろレベル)の人は、ダメだよなあ。ベジャール作品なめてるように見える。形を真似するだけでは踊りにならない。ピルエットになると、突然クラシックのポジションで気合が入る。それは変だろ。特に「ギリシャの踊り」で目立った。
今回の作品はわりと音楽が単純。カウントをとるのも(どちらかというと)単純。今時の複雑なカウントの踊りに比べたらのんびりしているし簡単に見える。でもさー。平たく踊っちゃだめだよね。それはベジャール作品ではない。ベジャールっぽく踊っていますレベルじゃいかん。ベジャール作品に自分の個性まで出せないと。と言うのは簡単、踊るのは大変。
踊りこめばいいのか。それともベジャール作品はもう古臭いのか。
「バクチ」が赤いレオタード。「火の鳥」がオレンジのレオタード。ついでに言うと「ギリシャの踊り」が白と黒、「ロミオとジュリエット」も白。「火の鳥」を最初にやって、「ギリシャの踊り」を最後にやるのはダメ?「ギリシャの踊り」と「ロミオとジュリエット」は気にならなかったのだが、赤とオレンジのレオタードが続くのは似た作品に見えてしまうので損なのでは。そこの違いがわかるのがファンですか?
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