気休めにホットミルクを

眠れない夜に、原因を探す。
カフェインは摂取していない。スマホの電源は二時間前に落とした。ストレッチもした。
それでも、僕はまだ眠れない。
「夜の街に取り残されている」
なんて詩的な言葉で誤魔化してみても、眠れるわけはない。

別に、良いんだ。眠れなくても。明日、早起きしなければならないなんてこともないし、なんなら昼まで寝てても良いくらいなのだから……

それにしても、眠れない夜というのはどうしてこうも長いのだろうか。仕事で徹夜した夜はあっという間で「頼むから太陽はもう少し昇るのを待ってくれ!」と願うくらいなのに、ただただ眠れない夜というものは途轍もなく長くて終わりが見えない。もう一生夜が明けないのではないか? と勘違いしてしまうくらい長い。
あぁ、はやく、はやく、朝日が見たい。朝日が見えれば、そうすれば安心して眠ることができるのに! なのに、窓の外は真っ暗。真夜中の空気は暑くて湿っぽくて、気持ちが悪いんだ。窓を閉め切っていても、クーラーを点けていても、滲んでくるんだ。逃れられないんだ。
僕はベッドを抜け出し、暗いリビングで独り、気休めにホットミルクを飲んで小さく丸くなっている。

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鬱との共存を目指しながら詠んだり書いたりしています。