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寝る前のメモ。


明後日、母校にて話をする機会をいただいたのですが、“これからの予測不可能な未来を担う生徒たちが、自分の良さを伸ばし、強くしなやかに生きていくために、卒業生の皆様から〜” という文言を見て、何を話せばいいのか少しわからなくなってしまった。

わたし自身の人生ですら、まだ何か「こうだ!」と確立されたものにはなっていなくて。やってきたことはその瞬間に過去になるし、過去の話をし続けるのはあまり得意ではない。今後もまだまだ変わっていくだろうし、やりたいこともしばらく尽きそうにない。ましてや、そんな状態を中学生に伝えるとなると・・・相当むずかしいと感じている。

わたし自身、中学校の頃に夢を抱いていたかどうかも正直なところ覚えていない。バスケットボールか陸上の選手、あるいはトレーナーか体育の先生だったかな。バスケを教えたいとは思っていたかも。ただ、自分が好きなことで身近に思いつく選択肢はそれだけだった。

きっと楽しい思い出もあるのだろうけれど、うっすらと残る中学生の頃の記憶のなかには「わたしには、バスケットボールしかない」という感情だけが浮かんでいる。とにかく何も考えずにバスケがしたかったし、そういう環境に行きたいと願っていた。たとえそれが越境入学で、知り合いが誰ひとりいなかったとしても、わたしには自分自身をぶつけるものがそれしかなかった。自己表現もニガテだったから、言葉の代わりにボールを触っていた。

結果的に、卒業と同時に地元を離れることになったけれど、あの瞬間はやっぱり開放感と未知への期待のほうが大きかったし、薄情な人間だと言われたらそうなのかもしれない。でも、友だちごっこのようなことがニガテで、卒業式が嬉しかったのはやっぱり事実だと思う。それなりに友だちもできて、学校帰りに遊んで楽しかったけれど、感情を出すのが得意ではなかった。



なんとも言えない感情を抱えながら、帰り道に夕陽のなかで自転車を押して帰ってくる瞬間だけは好きだったかな。あのときのグラデーションは今でも割と心の支えです。

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