見出し画像

寝る前のメモ。


ひさしぶりに月の光が差し込んでくる夜。昨夜はなんだか眠れなくて、ずっと遠足前の子どものようなテンションになっていることに気づく。

そんな流れで(?)、間違えて昨日のnoteを消してしまいました。なにを書いていたか正確には覚えていないのだけど、覚えておきたかった出来事もあった気がする。

記憶なんてものはもともと曖昧だし、いくらでも都合よく解釈できてしまうけれど、記録もそれなりに儚いね。2018年の6月から毎日書いていた事実は存在しても、証明できるものがなくなってしまったので、もしかしたらテンポを変えていくタイミングなのかもしれないな。いや、ひとまず落ち着こう。

3年ほど書きつづけたところで劇的に何かが変わることはなかったけれど、積み重なった思考だけは自分のものというか。あとは、こうやって寝る前にあたまのなかを整理して、自分の精神を安定させているのだとも思っている。毎日おだやかに眠るための安定剤。

大学生になってはじめての夏休みに、友だちに誘われたリゾートバイトで下田を訪れた。下田がどこにあるかもわからず、旅の感覚で足を運んだのだと思う。同様に、リゾートバイトが何かもわからず、私たちはとにかく下田を目指した。

高校3年間、バスケに情熱を注いでいた私たちは社会をほとんど知らず、そのままバスケの練習着だったTシャツとバスパンで向かった。訪れた瞬間に「来る場所を間違えた」と思ったし、現地のお兄さんも「間違えたね」という感じだったと思う。水着を着たギャルたちが単価の高いお酒をどんどん販売していく横で、砂浜を走りながら、親御さんに頼まれた1杯のかき氷を子どもたちに届ける私たちの姿は、実に滑稽だった。

もうほとんど記憶には残っていないのだけど、朝早く起きてメンズたちと一緒に力仕事をするほうが私にはあっていた。最終日、誘ってくれた友だちはバイト代が出なくてもいいからとギブアップしたこと、バイト代は無事にもらえたものの交通費でプラマイゼロかマイナスになって帰ってきたことだけは覚えていて。はじめて経験をお金で買ったと思った。

ただ、同じ部屋だったお姉さんはすごくいい人で、かき氷ばかりを販売している私たちのことを心配して、まあ休みなよ!と気をかけてくれた。お客さんとのお話も上手だった。どんな話をしたかまでは覚えていないのだけど、彼女がふと「自分の部屋は自分にとってサンクチュアリじゃないと」と言ったことだけは今でもずっと残っていて、はじめて自分の部屋を心地よくしていこうと思ったんだっけ。

こんなにも誰かの言葉を思い出すんなんて、一体どうしたんだろうという感じですが、昔、怪我を手だけで治してしまう「ゴッドハンド」と呼ばれる方が、高校の体育館にやってきた日のことも少しだけ。

遺伝子レベルで体が硬い割に、捻挫以上の大きな怪我をしなかった私には無縁な話だったのだけど、靭帯の損傷などを手だけで治してしまうというゴッドハンド。インターハイ予選前の大切な時期に、彼はやってきた。

「ストレッチはしっかりしてくださいね。僕はいつもお風呂上がりに2時間ストレッチをしています。そうすると、睡眠が4時間でも身体に疲れがたまらなくていいですよ」

そのひと言を聞いたときに「それだったら私は6時間寝るほうを選ぶかな」と思ったわけですが、先ほどストレッチを終えると立ったまま寝られそうな勢いだったので、あの時少なからず疑ってしまい申し訳ない気持ちになりました。それでも私は、普通に6時間は寝たいけどね。


いただいたサポートは、より良い文章をかけるように有料noteや本の購入にあてさせていただきたいと思います◎