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4文小説 Vol.41

桜の開花も遅かった今年は、近年では珍しく季節がゆっくり移ろっていくが、5月も末となり、ようやく日中は汗ばむようになった。

昨日も退勤は22時、新たに課せられた仕事はふた月目に入っても峠が見えず、延々と連なる山のようだ。

畑違い、不適格、キャパオーバー、すべてに当てはまる日々が不安で憂鬱で、ときに逃げ出したいような、すべて放り投げたいような想いにかられる。

そんな心境にありながら、今朝も疲れた身体を起こし、小雨で湿った地面を踏みしめ、遠路はるばる勤め先へ向かっているのだから、なかなか、たいしたものではないか。

―たまには自分を褒めてみた


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