あと10年以内に辞められたら 運動神経が悪いということ Vol.45
今月は、年に一度の健康診断の時期。体重は1年前から7キロ近く減り、それに比例するように腹囲も7センチほど小さくなっていた。ただ、よく眠れるようになったし、食欲もすっかり回復したから、いずれ体型は戻るだろう。
滞らせた仕事を督促されたとき、自分のせいで同僚の顔色が険しくなったとき。一時の苦しみが和らぎ、落ち着きを取り戻したようでも、ちょっとした拍子に容易く落ち込んでしまう。
その昔、2匹の犬を「条件が異なる空間」に入れて電流を流す実験が行われたという。一つはボタンを押すと電流が止まる空間、もう一つは何をしても電流を避けられない空間。前者の条件下で犬がボタンを押すことを学習していった一方、後者の空間では、犬はやがて無抵抗のまま電流を浴び続けるようになったらしい。メール、あるいは面談の席で。幾度かSOSを発しても状況を変えられなかった私も、電流を浴び続ける犬になってしまったのだろうか。
早期リタイアし、平均寿命まで過ごした場合、必要な生活資金額は?スマホで興味深い記事を見つけるたび、指が動く。満55歳、私の勤め先で定年扱いになるその年齢まで働くことが長年来の目標だったけれど、もっと短縮できないものか。健康が回復しても揺り戻しの恐怖に苛まれ、学習性無力感にも似た痛みがつきまとう日々にあって、あと10年以内で仕事を辞められたらと夢想するとき、私の心はいつも安らぐのだった。
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