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丁寧な梅雨の過ごしかた

ちゃお。anoです。

梅雨は湿気で髪が巻けなくなるので少し憂鬱。気圧も下がるし、布団からでるのも億劫。外を歩けば濡れた傘に気を遣うし、いつもの最寄駅がずっと遠く感じる。

でも、たまに気まぐれな風が首元を通り抜けて、すーっとすると、ひんやりしていて、きもちいい。雨の日も悪くないな。なんて、思う瞬間もある。いつもより静かで雨粒の音しか聴こえない真夜中は孤独な自分と向き合うのにちょうどいい。

なんて、言ってみても、やっぱり疲れるよね、あめのひ。

相変わらず、選択と葛藤だらけの日々は続きますし、連休明けで気怠さを纏った身体はいつもより鞄ひとつぶんくらい重いですし、そろそろ救命措置が必要な頃合いでしょうか。

だから。という訳ではないけれど、健やかなご自愛生活。財布の紐もゆるゆるで。5月のポストには、毎日のように贈り物が届きます。

それは、誰でもなく、自分が自分のために購入したものであったり、誰かが自分のために贈ってくれたものであったり。少しの贅沢で買った画集や、ペンフレンドからの手紙、大好きなバンドのステッカーや、延期になったライブのチケット、それから、詩集。

これが、明日を生きる理由です。と言っても、大袈裟でないほどに、わたしは、自分と、誰かと、未来を見つめている。ということに気付けたのも、ようやく。なのですが。封筒を開けるたびに、わたしは柔らかくなって、深く息を吐けるようになる。

ふと思い出すと、心がぽかぽかと温かくなって、目には見えない大切なことを思い出させてくれること。わたしは、それを、色褪せない記憶。と、呼んでいて、いつだって頭と心の中に丁寧に留められているつもり。

でも、たまに。私の輪郭からわたしが溢れてしまう時がある。どろどろと溶けて、形がなくなって、誰にも見られたくない、おそろしい姿のわたしと目が合う時がある。

そんな時に、自分や、誰かの、息遣いを感じられるアイテムがあると、すごく便利なのである。あたらしいわたしを紡ぐときの道筋を示してくれるかもしれないし、どこかに落としてきたわたしを抱きしめてくれるかもしれない。

お守りみたいな存在。と、よく表現するモノたち。それは、ひとかもしれないし、モノかもしれないし、言葉かもしれないし、音楽かもしれない。わたしをご機嫌にする全ての総称。

それで、昨日届いたお守りをどうしても紹介したくて、今この記事を書いています。厚い灰色の雲の隙間を縫って届いた一冊の詩集。さんが創った詩集。これがもうめちゃめちゃ素敵です。

わたしのインスタグラムを見てくれているひとからすると、昨日から何度も宣伝しているように見えるかもしれないのだけれど、今回の詩集は、もうほんとうに感動して、感動して、感動したから、色々な人の目に触れてほしくて、発信しています。

ちなみに、●さんの前作の詩集(まっすぐな通知)も、色々な所に連れて歩きすぎてぼろぼろになったし、所々暗記できるくらいには、読みました。今回の詩集(バツのつけかた)も、そうなる予感がめちゃめちゃしてます。

気になった方はこのリンクからどうぞ。(オンラインショップBASEのサイトに飛びます)あなたの手元に置くことに損のない一冊だと、私は思います。なんせ、50円なので。

孤独と向き合う時、疲れた自分と目を合わせる時、違和感に気づいた時、ひとりで立ち向かうにはしんどい時、まだ、私にも心揺れる何かがあるって、その事実に救われて、わたしは歩いてきました。

ピリオドを打つのは、簡単ではないけれど、難しくもない。ピリオドの打ち方を間違わなければ、私たちは、いつだって、あたらしいわたしになれる。から、目的のある、ご自愛。苦手な季節も、どうにかこうにか、綱渡り中のわたしです。

梅雨が明けたら今度はじりじりと肌を焼く夏が待っている。それもまた杞憂。だけれど、アイスはどんどん美味しくなるね。丁寧に髪を梳かしたら杏の匂いがした。どの季節にも寄り添う詩が、あなたの元に届きますように。

最後に、インスタグラムにも載せた詩(みたいなもの)を以下に遺して。またね〜、

なにもありません。と言った癖に、なにもかもを知り尽くしたあなたの瞳に映ったわたしは泣いていた。

にんげんは、誰しもみんな平等に認められたいと願う生き物。なんて言い切るのは横暴だろうか。肯定されたい、抱きしめてほしい、なるべくだったら痛い想いはしたくない。

全ての自己と近づいたり離れたりしているうちに、見える世界もあるのだろうか。見えなくなった世界はないのだろうか。そんな空想に耽ることもある。

圧倒的の三文字に負けない骨格に纏ったのは白と黒のたましいでした。正反対に見える二色を同時に愛することを罰することをしない神様と眺めるのは迷うことなき現実。

何も言わなくていいから側においてほしい。文字の上に光る粒を結べばあなただけの星座ができるから。空の色を何と呼んでも頷いてくれるあなたの元で知り得た感情は××。

此処ではないどこかに行くことすら、綺麗さっぱり捨ててしまったし、見た目は変わらなくとも生まれ変わったつもりのわたし。真っ直ぐに歩いてみたくなる音がして、無味無臭のページをめくる。

なにもありません。その、8文字だけが並んでいた。

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