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【京都CL11-3】うずまきじまの邂逅を越えて

みなさんこんにちは。はじめましての方は初めまして。普段チームぱちぱちとしてジャッジ、並びに選手として活動しているAmyuといいます。

今回は自身が先週開催されたCL京都で使用したデッキの解説と、簡単な環境雑感、プレイ指針など書いていきたいと思います。

(今回は全文無料、投げ銭方式です。自身が何か発見等あったときに有料部分に追記する可能性はありますが、不定期なので許してください…)

バスが事故ったりして大変だったけど
なんとかありついた牛カツ


環境雑感

まずは環境雑感から。
ジムバトルや有志サイト等でまとめられている優勝デッキを平均化し考えた自身の考えるデッキの強さ、いわばTier表は以下です。

・Tier1 ルギアVstar
・Tier2 ロスト系統 ミュウVmax
・Tier3 なし
・Tier4 それ以外

一般的に言われているものとの違いは、Tier2未満の圧倒的な評価の低さでしょうか。
個人的な各デッキに対する評価を列挙します。

ルギアVstar

うみのかみさま 実は話せる

登場するやいなや、瞬く間に環境を席巻した怪物デッキ
Vstarパワー、アッセンブルスターにより呼び出されたアーケオスの驚異的なエネルギー加速手段に加え、ノコッチによる弱点カバー、ムーランドVによる非Vポケモンに対する圧力、チェレンの気配りによる耐久など、あらゆる環境耐性を持ち合わせます。
そのデッキパワーの高さから当然使用率もトップであることが予想され、実際今大会の台風の目となりました。

ロスト系統

じんせいははなえらび

アクロマの実験やキュワワーのはなえらびなどによってロストゾーンのカード枚数を溜め、ミラージュゲートやロストマインのヤミラミなど、強力な効果を持つカードを使って翻弄するデッキ。
今回の新弾で新規カード「空の封印石」を手に入れ、さらにトリッキーな戦いを仕掛けていくことが可能になりました。
一番の強みは非V主体で、後攻1ターン目からでも攻撃できる可能性があるため、先攻後攻がどちらでもよい、という点かなと思います。


ミュウVmax

たぶん世界で一番バトルVIPPER

登場よりずっと強いバケモンデッキ
新弾で「森の封印石」を手に入れ、頂への雪道への対策手段を得ただけでなく、逆に仕掛けていく側になりました。
ただ逆に「空の封印石」とドラピオンVによって4枚サイドを取られてしまうことになるため、依然恐怖におびえ続けることにもなります。
個人的な評価は若干低めです。


その他

その他のデッキの例ですが、レジギガス、アルセウス系統などがあります。が、Tier1のデッキの一つには勝ち得るが、他のに安定して勝てない、というものが多いです。(例としてレジギガスはロストに対して有利だが、ちゃんと回ったルギアには勝てない、など)


使用率Tier

さて今度はどれだけほかの人がそのデッキを使用してくるか考えてみます。
まずはルギアを使うプレイヤーが圧倒的に多いと考えました。
理由は簡単で、勝ち方が明確でとりあえず持っていきやすいからです。

逆にロスト系統は明確な勝ち方を意識するのが難しいので、洗練されたプレイヤー以外は使用しないだろうと思いました。
また特定のデッキをメタ対象に据えたデッキは洗練されたルギアに淘汰され、上位には残らないだろうとも考えました。

よって作成した使用者Tierは以下です。

・Tier1 ルギアVstar
・Tier1.5 ミュウVmax
・Tier2 ロスト系統
・Tier3 その他


デッキを決めた指針

以上のような思考の元、デッキを決めていきます。

1.デッキパワーを担保する

まず踏まえておきたいのは今大会の大きなデッキ選択のテーマとなるのは『ルギアか、ルギア以外か』です。

そのぐらいルギアは強く、生半可なデッキでは太刀打ちすることもままなりませんし、ちょっと相手がプレイミスをしたところでルギアはそのデッキパワーで何とかなってしまうことが多々あります。
よって変なメタに走るというよりは、デッキパワーをあげて対抗できるようにし、相手のプレイエラーを咎められるようにする、ということを第一に置きました。

2.明確なメタカードを複数持たない

これは主にミュウVmaxに対していえて、自分のプレイが歪まない範囲での、メタのケアができないデッキを使わない、ということです。
具体的に言えばドラピオンVは雪道でケアすることは可能ですが、相手にはがされるリスクや自分のハンドが流されるなどのことによって、自身の首をも絞めかねません。
そのためミュウは候補から抜けました。

3.盤面の完成が早い

これはロスト系統を使わないことを意味していて、ルギアが行ってくるであろう2ターン目のマリィなどの妨害や、ムーランドVを使った複数サイド取得に対して、あまりにも相手のプレイ難度の簡単さに対するこちら側の要求枚数が多すぎる、という欠点のことを指します。

これらのプレイに対して1ターン遅れるだけでもう勝敗は決しているようなもので、相手に試合の主導権を握らせることは、この1ターンが重要な環境において致命的だと判断しました。

以上のような理由から、今回はルギア以外を使うことに対するメリットがないと考え、事故りにくいルギア、という場所を着地点として構築していくことにしました。
また、ルギア以外を使ってルギアに負けたことを許容できない、と考えたのもひとつです。
ルギアに負けておもんないとツイートするぐらいなら使えば良い、というのが自分の結論です。


Day1からDay2への変遷

さて実際のデッキリストを踏まえて解説していきます
まずはDay1

Day1

Day1 グループA 7-2 34位
ルギア 後◯
ルギア 先◯
ロストバレット 先◯
ロストバレット 後×
ルギア 後◯
ルギア 先◯
ハピミル 先×
不戦勝
ルギア 先◯

一般的なルギアデッキに入っていそうなものは割愛し、特徴的な採用、不採用カードについて話します。

ネオラントV 1枚
ネオラントがサイドに落ちる、もしくはスタートしてハンドに展開用のサポートがないという場面と、スタートして負け筋になるということの天秤をかけた結果1枚に落ち着きました。
練習段階でなくて困ることは一度も無く、だしたらアクアリターンするか手札干渉をする、ということを意識すれば良いと思います。

クロバットV 不採用
崩れたスタジアムを採用していないため、盤面にずっと負け筋が残り続けることを嫌って不採用に。
アーケオスが引けなくてほしい場面も何回かありましたが、そもそもクロバットを出さなければいけない時点で相手に勝ち筋を増やしている行為でもありますし、勝ちにいくよりもそのボールをルギアVに回してかぜよみで整える、といったこともできるため見送りました。

アメイジングライコウ 不採用
このデッキでライコウが攻撃することが最適な盤面になっている場合、そもそもライコウがなくても勝っています。
逃げが重く必要だと感じたことが一度もなかった為不採用

ノコッチ-マナフィ 両採用
CLで予選を抜けるためには下手なデッキには負けられず、負けうる場面として考えられるのが弱点マッチのため両採用。
ノコッチは特に使わない場面が多いので抜く人も多いですし、実際Day1を見てDay2は抜きましたが、構築段階で不利をとること自体がCLでは致命的なためDay1は必ず入れることに決めていました。

ロストスイーパー 1枚
ノコッチと同じく、構築段階でジュラルドンのビッグパラソルに不利をとらないため採用。
あとはハピミルのタフネスマントや、色々なデッキから飛んでくるシンオウ神殿など用途は多岐にわたります。
もし枠が余るなら最初に2枚目を入れます。

ツツジ 1枚
Day1は9戦やるため、どうしてもルギアミラーで後手が考えられるため、少しでも勝率を上げるために採用。
ただ実際に勝った試合で使ったことはなく、使って負けたことしかないので個人的には一番要らないカードです。
そもそもルギアはサイド先行して相手にツツジを打たれる側なので、基本的には要らない認識。

スタジアム系 不採用
ルギアデッキにおいて一般的に考えられるスタジアムは崩れたスタジアム、頂への雪道ですが、どちらも必要な場面を選ぶ、という点で不採用にしました。
例えば頂への雪道が必要な終盤では、エネルギー量が少なくなってくるためかがやくリザードンの起動が望ましいですがそれを阻害します。
また最序盤では自身の貼った雪道を剝がすために貴重なベンチ枠をバケッチャで埋める、というような意味の分からない状況になり、自分からただでさえ高いアーケオスを落とす要求をあげている、とも言えます。
そのため絶対に必要になるであろう場数の少なさを加味して、今回は不採用になりました。

もし環境にかがやくムゲンダイナ軸のデッキや、ジュラルドンVmaxなどが蔓延するのであれば視野、ぐらいでよいかなと思います。

次にDay2です

Day2

Day2 4-1
ミュウ 後◯
ルギア 後◯
ルギア 後◯
パルキア 後◯
アルセコケコ 後×
通算 11-3 44位

Day1から変更した点は以下です
・ツツジ→バーネット博士
・ノコッチ→大きなおまもり
・キャプチャーエネルギー1枚→ウォッシュ水エネルギー

まずはDay1を通して上位に雷系の入ったデッキが少なかったことから、それよりもロスト系統に対してムーランドVに貼ってザマゼンタのかたきうちを耐えたり、ルギアに貼って確定ラインをずらすなどの用途に使える大きなおまもりに変更。

次にDay2はDay1をルギア等で抜けた選手たちが、ロスト系統に変えて逆に倒しにくるだろうと推測をしたため、ウォッシュ水エネルギーをいれ対策。

また、トーナメントに上がるためには1敗も許されないため、少しでもアーケオスを落としやすくするバーネット博士を採用しました。
ツツジは抜くことになりましたが、そもそもツツジ打ってる場面になってる時点で負けていることが多いため、そのプランは無くしました。

よくDay1.2で同じデッキを使う人がいますが、一度Day1でどんなデッキが多かったか思い出して、60枚ちゃんと必要かどうか考え直すこともこのルールでかなり重要なことかなと思うので、Day1を抜けた際はぜひやってみてください。

ルギアミラー雑感

最後に自分がルギアミラーをする際に気を付けていたことを列挙します。

1.不用意に先1でボールを使わない

よくミラーの時に無理にしんかのおこうを使ってアーケオスを持ってくる人がいますが、落とせないアーケオスを持ってくる理由はないですし、次のターントップがアーケオスである可能性を少しでも上げるために、必要な数以上のボールは使わない方が無難です。

必要なポケモンは先手なら相手がミュウとか雷系でない限りルギア1匹のみで、強いていうならマリィケアのヤレユータンぐらいです。
もちろんトラッシュに置けるなら使っても良いですが、そもそも次のターンでも間に合うなら待ったほうがいい場面が多かったです。

ただし例外も存在していて、例えばハンドに次の展開札がないときなどは、少しでもドローの純度をあげるためにも使ったほうが良い場合があります。

相手のデッキアーキタイプをよく見極めて、マリィが入っていそうかどうか考えて決めると良いと思います。

2.後手ならマリィから入れるとベスト

基本的にルギアというデッキは先攻1ターン目でアーケオス2枚落とすことはできず、博士の研究などのサポートに頼ることが多いです。
そのためマリィで必要なカード類を山下に送られると、アーケオス2枚をトラッシュに送りつつルギアがVstarして、かつボスを打つということは相当ハンドが良くない限りは無理です。

また、サポートの枚数も絞っているものがおおいため、ほとんどの確率でネオラントVがでてきます。
そこを自分がボスなどでとれれば、こちらがVポケモンをルギア2匹以外に出さなければ、特殊なことがない限りサイドレースは逆転します。

あとはこちらが事故らないようにルギアVの技、かぜよみするのも良いでしょう。
ネオラントがででくる前提とするならば、最初にルギアが倒れてもサイドレースは間に合うので、ハンドのアーケオス等を切りながら3枚引けるかぜよみは魅力的です。

自身がCLで4回後手を経験しましたが、いずれもマリィかぜよみで相手が無理をして勝つ、という感じになっていたので、参考になれば。

3.逃げる用のエネルギーを確保しておく

これは前のアタッカーが倒された際に、アーケオス等をとりあえず前に出し、スムーズにアタッカースイッチを行うためです。
ただしあまりこれに固執しすぎるとエネルギー残量が足りなくなることもあるので、相手が次に出してくるアタッカーを想定して、スイッチが必要なら貼る、必要ないなら貼らない、など臨機応変に対応しましょう。

4.ルギアの勝ち負けのパターンを知っておく

そもそもルギアミラーにおいて、勝ちパターンは3つあります。

まず一つ目はサイドを取り切って勝つプラン。
これはいたって簡単で、先攻をとれば相手を上から攻撃するだけ、後攻なら相手にサイド1のポケモンを押し付けながら、こちら側は不用意にサイド複数枚取られるポケモンをださないことで物理的に先手後手を入れ替えて勝つことを意識します。

一つ気を付けることは、ムーランドVの技、おかわりファングによってサイド複数枚取得されることを防ぐため、不用意にマナフィやノコッチをだして負け筋を作らないようにしましょう。
最近の環境ではアメイジングライコウの採用率も減ってきており、ノコッチに関しては出さないほうが良い場合も多いです。

しっかり自身が出るときの環境を把握して、プレイの指針を決めるとよいと思います。

二つ目に相手のアーケオスを枯らして、アタッカーが追い付かないようにさせるプラン。
これは主に相手がアーケオスを1匹しか出せなかった時に狙うもので、実質的なEX‐Winを意味します。
逆に言えばいくら相手のルギアVが前でとれる状況だったとしても、無理をして1匹しかアーケオスを出せなかったことで負けうる可能性がある、ということです。(相手のルギアを枯らせるならその限りではないです。)

無理をしてアーケオスを出すくらいなら非Vのポケモンを前に出して返したり、かぜよみでハンドを整えて次のターンに備えることも常に選択肢として持っておきましょう。

最後に相手のエネルギーを枯らして勝つプラン。
これは勝つプラン、というよりは相手のプレイミスを咎める負けないためのプランというようなもので、相手に依存するため積極的に狙えるものではないです。
この考え方は非常に重要で、例えば相手の盤面にオーロラエネルギーが3枚以上見えているときはアメイジング系はほぼ飛んでこないと割り切ることや、エネルギーが13~14枚見えているときはエネルギー残数が少ないのでボスでエネルギーのついていないポケモンを呼んでLO負けを狙おうなど、相手の次のプレイを読むための指針になります。

逆に言えば自身も常に負け筋について考えることが必要で、不用意にかがやくリザードンを置いたせいで呼ばれて負ける、ということにもなりかねません。
相手が技を打ちそうなポケモンを想定してそれに合ったポケモンを準備しつつ、それをすることに対してリスクがあるのかどうかも併せて検討できるとよいですね。


最後に

ここまで読んでくださりありがとうございました。
ルギアというデッキは非常に弱点が少なく、プレイでどんなデッキをも倒しうる、というのが魅力であり、その一助に少しでもなれれば幸いです。

自身はもうシティリーグ等年内のイベント事はほぼ消化しているので、来るレギュ落ちにむけていろいろ考えていければと思っております。
DMは基本的に開放していますので、なにか質問等ありましたらTwitter(@Amyu_pokecard)まで。

普段から練習や相談に乗ってくれるチームメンバーの方々や調整相手の皆さん、並びに運営のジャッジやスタッフの方々、最後に読んでくださる画面の向こうの貴方に感謝を。

次は愛知CL、もしくはシティリーグでお会いしましょう!
ありがとうございました!

Amyu

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