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キソから逃げる人は確実に負ける

こんにちは。文字書きダンジョンで、Lv.10の強敵ズツーに悪戦苦闘しているあみゅーじっくです😅


今回は「キソ」についてお話しします。キソって大事だと思いますか?当たり前のことを聞いてみました。そりゃあそうです。キソがないということは土台がないということ。つまり、スポンジ無しでホールケーキを作っているようなものです。スッカスカですね。

キソは大切である、ということはみんなが知っている事実ですが、不思議とみんなキソを嫌がります。いちごやクリームばっかり追求して、スポンジは知らんぷり。これは怪奇現象でしょうか。 いいえ、現実です。ノンフィクションです。


では、キソの大切さはどのように発揮されるのでしょうか。キソが苦手でも他のことでカバーできれば大丈夫そうな気がしません?1つの個性って感じで。でも意外と、キソだけは個性という言葉で片付けられないんですよね。侮れません。


例えば勉強の場合、応用問題ばっかり手をつけても全然解けません。解けるとしたらキソがわかっているから解けるんです。仕組みを理解しているから。応用問題を解いていたら、いつか力がつくだろうなんてそんな魔法はありません。    じゃあこの場合はどうでしょう。プロの演奏家が、小さい頃いきなり難曲から練習する。プロ野球選手が、素人時代に自分のスタイルばかりを追求する。もちろんメキメキ上達したりしませんよね。演奏家はバイエルやハノン、野球選手は体力作りや素振りを繰り返しています。仮に上達したとしてもある程度まで。絶対にどこかで穴ができます。

「キソ」と呼ばれるものは、披露するものではありません。「キソができるの!?すごーい!」と他人から褒められることだってありません。  つまり、影の努力をどれだけ続けられるかによって未来が変わるということなんですね。自分との闘いです。キソは面白いものでは決してない。だからこそ続けるのが難しい。どこかで、空気の抜けた風船みたいにシュルシュル〜っとなってしまう人が多いのが現実。ということは逆に、周りがキソから逃げる中ずっと挑み続ける人は、逃げた人よりも明るい未来を手に入れることができる、とも言えるわけです。

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キソは敵ではなく味方

ここで少し私の話を。少々お付き合いください。

私はピアノを弾くのですが、キソから逃げ続けた結果、キソをちゃんとやってきた人たちからだいぶ遅れをとってしまいました。成長と共に練習する曲の難易度は上がるので、キソなんてしなくても勝手に上達するだろうと思ってたんです。サボってたということはなく、練習はホントに一生懸命やってました。1日何時間も。ただキソはしなかった。でも、次第にいろんな曲が弾けるようになったんです。やっぱりキソはやらなくても上達するじゃん、と思いました。周りでキソを念入りにやっている友人をいつも、「効率悪いなあ」と思いながら見ていたんですよね。

しかし、ある時から周りの人とどんどん差が開いてきてしまったんです。自分だって毎日練習しているのにどうして?と、モヤモヤしていました。それどころか、周りの人は自分の音楽を全然わかってくれない!とさえ思っていたんです。

綺麗に弾いているけど何か安心して聞けない。 私の演奏はいつもそんな感じでした。

そして大学受験。結果は惨敗でした。あんなに練習していたのになぜ?ああ、きっと運が悪かったんだな、と最終的に運のせいにする始末。

しかしフタを開けてみると、キソを毎日一生懸命やっていた人たちが皆、合格していたんです。 あれだけ効率が悪いなあと思っていた人たちが。

先生たちからは、「キソはやらないと後悔するよ、いろんな曲が弾けるようになってもキソだけは毎日やってね」といつも言われていました。でも、私はしなかった。キソが嫌いで時間の無駄だと思っていたから。キソは小さい子や初心者がやるもので、ある程度弾ける人は必要ないと。 

でもハッキリと結果が突きつけられて初めて、 キソってやるべきだったんだ…と心から思いました。今考えるとキソに年齢や歴は関係ないことぐらいわかるんですが、当時の私はわかりませんでした。バカだなあと思います。ポンコツです。笑

大学生になって、私はイチからキソをやり直しました。今まで逃げ続けてきたキソとちゃんと向き合おう、そう決めたんです。毎日毎日、あの頃のみんなのようにキソを。

キソをしばらくやって、とある日私は演奏会に出演しました。私は今まで通り弾きました。すると終演後、私の演奏を聞きにきてくれていた先生が、「あなたの演奏は安心して聞けるわ。」と言ってくれたんです。「綺麗だったよ。」と言われることはあっても、「安心して聞ける。」と言われたのは初めてでした。その時、キソをやっていてホントに良かったなあと心から思いました。

惨敗した大学受験は、私の人生においての転機になっています。今では「キソ」に気づかせてくれた大学受験に感謝すらしています。

不思議なもので、人間いくら周りから大切だと言われても、自分が心から大切だと実感しなければホントの意味で気付くことはできないんですね。厄介です。


私はホントにキソは大切だと思います。世の中勝ち負けだけで判断するものではありませんが、勝ち負けがどうしても関係してくるジャンルもあります。その時に、これをやれば絶対勝てる!というものはありませんが、これをしなければ確実に負けると言い切れるものはあると思います。  音楽だけじゃなくてスポーツでも、勉強でも、 仕事でも。


キソは、「確実な負け」から遠ざかることができる1つのアイテムです。そう考えると、「キソ」は逃げるべき敵ではなく、つけるべき味方。  「キソ」って面倒くさいし、ガマンが必要な作業ですよね。だけど、あともう少しだけガマンしてみてください。きっとあなたの毎日が、いい方向に転がっていきますよ。

 


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