読書感想:仕組み化


1.ミラクルストーリー(平尾勇司)


潰れかけた状態から800名の業務委託社員の力を結集することで、人々の消費行動を変えサービスを根付かせ、4年で300億の売上、100億の営利を生み出したホットペッパーのストーリーから、組織づくりの可能性を考えられます。
事業は物語であり、勝つシナリオを作らなければならない。

<Point>
・仕組み化はコミュニケーションを活発にして組織のコンセンサスをスムーズに創り出し、を育てる。
・採用→教育→組織化の技術が他社との差別化のなる強さとなる。
・先人の苦しみを乗り越える仕組み化によって組織は次のチャレンジにエネルギーを投下できるようになる。
・目的コミュニケーションが日常会話に織り込まれている組織は強い。
・パッケージ化でコミュニケーション階層を抑制して顧客の声にダイレクトに向き合う。
・セグメントを分け、オーダーメイドの攻め方を考える。
・松竹梅で範囲と期間を限定することで集中的にコスト投下し、高収益なプランをつくる。
・「その期間のなかで圧倒的な成果」を出したいと思える文化は能力をも凌駕する。
・先進的なアイデアより先にクライアントからお金をもらう仕組みをつくり面を取る。
・サービスの価値を既成概念で止めず、自らが信じ、顧客に語れるコンセプチュアルな定義で勝負する。
・業績は顧客接点でのコミュニケーションカアップと有効的な時間管理による顧客接点の最大化の営業計画力によって決まる。


2.セールスイネーブルメント(バイロン・マシューズ、タマラ・シェンク)


顧客の成功を目的に、組織のさまざまな機能を顧客に焦点をあて再設計するイネーブルメントの要諦を学べます。
顧客関係性レベルと営業プロセスレベルの深度を意識しながら複数の部門を調整するオーケストレーターが重要となる。

<Point>
・機能ごとに顧客への関わり方が異なっていては、効率性が損なわれる。
・トップパフォーマーの成功要因と退職理由を常に分析する。
・継続的な能力開発によって差が生まれる
・顧客を深く理解し、事例から得たインサイトを組み合わせることで新たな価値を生む。
・トレーニングなしのコンテンツはなく、コンチンツなしのトレーニングもない。
・イネーブルメントは組織ケイパビリティを高めるものであり、売上を指標とすると機能させられない。
・遅行指標をモニタリングしてもアクションが生まれない。
・進捗度を誇張したくなる誘惑に注意し、現状を受け入れる。


3.現場が動き出す会計(伊丹敬之、青木康晴)


人は測定されることに反応して行動を変えるとの影響システムの視点で仕組みを工夫する気付きを得られます。
良い影響もあれば意図しない悪影響に注意。


<Point>
・人は全ての行動が指示されることはないため、測定が必要。
・未来志向で行動を誘発することがマネジメント機能。
・企業の中では些細なことでもカネが関わると会計で捉える。
・会計処理は一定の判断が介在するため、利益はオピニオンとなる。
・数字の背後に実態を想像する。
・盲点になりやすいが誰が責任を持って管理会計を推進するか。
・組織構造の設計とは役割と権限、報告と責任の設計。
・責任よりも権限が大きいと権限の乱用による非効率が発生する危険性が高くなるため、責任>権限が望ましい
・ストレッチ目標で未達が続くと言い訳文化が育つ。
・管理可能性の高い数字にフォーカスして責任を持たせられるか。
・認知限界を超える測定は無視を生む。
・納得感のある横比較が健全な競争を誘発する。

4.すごい数値化仕事術(三木雄信)


ソフトバンク流の数値を重視した高速課題解決のサイクルを学べます。
無意な数字が存在することを警戒して、実行力で数字の精度を高める。

<Point>
・成果につながらないムダな数値化を繰り返す数値化メタボによって士気が低下する。
・日常で数値に基づいた報連相文化を築くことで課題解決力が高まる。
・数値化によって効果の込める課題解決を考えられ具体的なアクジョンが見えてくる
・現場の問題を数値化して上申する。
・「数える前に、分けろ」が鉄則。
・予測値と実測値の差から市場環境の変化を察知する。
・累積中に潜む問題を見逃さない。
・大数の法則でトライの数が重要。


5.売れる力(松田憲幸)


「言葉の壁をなくす」を掲げるポケトークを立ち上げ、Japan to Globalを目指す松田憲幸さんの視点が事例とセットで学び深い著書です。
勝負どころで仕掛けられる組織をつくる。

<Point>
・顧客の用途を想定して機能を特化させる。
・ビジネスチャンスを広げる商談はスピードが肝要。
・顧客の声を最大限集め仕組みを作り、改善していきながら、自社のこだわりを考える。
・デファクトスタンダードをつくるには強烈に印象に残す仕掛けが勝負となる。
・現場で顧客に相対することでサービスを買っていただくことのリアルを知らなければならない。
・社会貢献を最大化するには自社の稼ぎを最大化する必要がある。
・顧客に分かりやすく打ち出す。
・人格を採用段階で見極める。
・粘り強さが交渉力。

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