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このnoteについて

こんにちは、あむのあです。
これから、歌ってみたで取り上げた作品について
歌詞や世界観の考察や、伝えたかった事、表現の工夫等について
このような形で発信していこうかな、と思っています。
歌で100%伝えられればいいのですが、そこまで表現力が追い付かないので…。
歌ってみたをより楽しんで頂くコンテンツとして。
また、素敵な本家さま楽曲をより楽しんで頂くコンテンツとして。
皆様の一助となれましたら幸いです。


では、前置きはここまでとして、さっそく先日アップしました
先生あのfeat.花隈千冬/TOKOTOKO(西沢さんP)について、
考察と伝えたかったことを以下に書き記します。

先生あのねの歌詞の考察、そして伝えたかった事。



適当に相槌を打つ幽霊
窓際最後列があたしの机
ネットに Dive 深く深く潜れ
誰より太陽を嫌うあたしはシーラカンス
教室では生返事で心ここにあらず、幽霊のような存在である「あたし」。
本当の「あたし」はここにはいない、そんな思いで教室を最後列からある種見下している。
(シーラカンスという名前には「からっぽ」という意味が含まれています。)

幸せって意外と無味無臭で
探すことに無我夢中で
飲み干したり零したりしてることに気付かぬまま

きっと教室のクラスメイトの様子を見てそんな風に考えてるのかな?
みんな必死だな…みたいな

先生あのね、あたしを
いい子のフリしたあたしを
まともになれないあたしを
許して
ずっと狭い狭い教室に
こんな行き場のない想いに
縛られてるのが馬鹿らしいなって思ったの

そんなある種達観している主人公ですから、窮屈な気持ちを抱えて日々を過ごしています。
でも、この主人公は別にそれを全面に出したりせず、普通の顔で「いい子」に過ごしている。
でもそれが偽りの姿であり、他の子のように些細なことに一喜一憂したり、一生懸命になれない自分が「まとも」ではないと感じながらも、どこか優越感を感じている。
そんな思いが「馬鹿らしい」に透けて見えます。
力強い響きで歌い「強がり」を表現しました。

Dead or Alive
若さとは有限
遊びじゃないのよ、あたしにとって
ベッドに Dive 深く深く潜って
窓際最前列で待つわ、ピーターパン
そんな教室での冷めた考えとは相反するかのように
「大人になることへの恐怖」が2番の歌詞から見てとれます。
教室は窮屈だけど、大人になって広い世界に放たれてしまうことは怖い。
だからベッドに潜って現実を見ないように、ネバーランドへ連れて行ってくれるピーターパンを待つのです。

パパママあのね、あたしを
子供のままのあたしを
大人になれないあたしを
許して
昔好きだったカードゲームを
今さら集め直すみたいに
捨てて来たものも愛したいなって思ったの
ここはパパママに甘えるように優しく歌いました。
一番の強がりの「あたし」が少し殻を脱いで素直な「あたし」になったイメージで響きにこだわりました。
「大人になれない自分」を受け入れたことで今までの自分の行動や「捨てて来たもの」が見えてきます。

ほんとはね
春の青さも
人の優しさも
逃げたのはあたしの方で
ねえ泣いてるんだよ
強がってるんだよ
空に浮かぶ海月に見惚れて

一番で、冷めた目で一歩引いていた人との関わりについて、本当は自分自身で線引きをしていたこと。
それを強がりだったと自覚して、本当はさみしかったことに心の底で気付いているんです。
海月とは、海に浮かぶクラゲを月に見立ててつけられたのが名前の由来です。
いわば月のニセモノ。そんな「ニセモノ」は、教室等の狭い世界で行われていた人との関わり
を表現しているのかな、と思います。
くだらないと思いつつ、そこに本当は憧れて見惚れている。
そんな主人公の素直な気持ちが表れたフレーズなので、曇りのないハイトーンを表現できるように頑張りました。

先生あのね、あたしを
いい子のフリしたあたしを
まともになれないあたしを
許して

2回目のこのフレーズは、1回目のサビの優越感やトゲトゲした自意識はなく
自分で自分に許しを乞うているように感じたので弱々しく優しく歌いました。
比べると違うことに気付いていただけるかなと思います。

もし神様が世界に
こんな救いのない世界に
いたとしてあたしは何から願ったらいい?
満たされないあたしの
何者でもないあたしの
命に意味があったらいいなって思ったの

急に神様が出てくるのですが、この頃って本当に世界が狭いんですよね。
私自身も、この時代、なんだかとてつもない悲壮感や閉塞感を感じていたので神様にすがりたくなる気持ちはよくわかりました。
グロテスクな自意識以外の何物でもないのですが、そんな気持ちを思い出してどうしたらいいかわからない焦燥感や切なさ、必死さを表現できるように歌いました。

自分自身の青春時代に抱えていた気持ちとすごく重なるところが多く、気持ちを込めて歌わせていただきました。
かつて大人と子供の狭間で揺れていた人達へ、そして今揺れている人達に共感して貰えたらうれしいです。

素敵な曲に出会わせてくれた青葉さん、ありがとう。


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