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『100日後に死ぬワニ』とアイドルの楽しみ方一緒説

1年前にtwitterで話題となった『100日後に死ぬワニ』が流行った理由はアイドルを推す気持ちと一緒なんじゃない?という説を唱えたい。

どちらも終わりが予定されている儚さこそが消費者を楽しませているコンテンツという意味で共通していると考えられるからだ。

■マキタスポーツによるアイドルの定義

マキタスポーツの著書『すべてのJ-POPはパクリである。【現代ポップス論考】』におけるアイドルの定義を引用する。

日本人には「終わりを愛でる芸能」を愛する傾向があります。ソメイヨシノの桜がちりゆくのを好むように、最初から終わりがみえているような「もろく、はかないもの」に我々は引かれがちです。「無常観」や「死の美学」とまでは言いませんが、いたいけで、ちょっと手を掛けたらクシャッと壊れてしまうような「はかなさ」は、近松門左衛門の心中物や太宰治の文学作品などにもよくテーマとして扱われています。そう、「終わってしまうことの一回性」に対し、どこの国の人たちよりも愛でる力を、日本人はリテラシーとして持ってしまっているのです。

マキタスポーツは日本のアイドルは、一定のレベルまで成長した後、アイドルを卒業するまでの賞味期限を味わうコンテンツであると定義している。

バンドで活動休止・メンバーが脱退することはあるが、元々予定されていることはないだろう。対して、アイドルは活動を開始した時からいつかはアイドルではなくなることが既に予感されている。

■終わりが予告される構造

『100日後に死ぬワニ』ではワニが死ぬまでのカウントダウンがコマの枠外で進み、読者に対してワニの日常生活がいつ終わるのかが予告されるという特徴を持っていた。

作品最終話で桜が描写されているところまで含めて、前日のマキタスポーツによるアイドルの定義と一致している。

日韓合同のアイドルグループ「IZ*ONE」は非常に人気を博したアイドルグループであった。このグループ結成される段階で2年半の活動期間が限定されており、より終わりを強く意識させるコンテンツであった。




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