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何故わかってもらえない?知られていない理解の仕組み

みなさんこんにちは。
今日はバイクを通して少し学術というか理論的なお話。
理解の仕組みについて紹介しようと思います。
私は高校生の頃原付に乗っていました。アルバイトをして初めて買ったヤマハのJOGです。中古でしたが2ストロークの加速がとても気持ちよかったのを覚えています。
そんなある時学校の友達に「原付なんかお金が出ていくだけ。危ないしそんなもの乗らない方がいい。」と言われました。
その時私は反論しました。当時釣りにハマってた私は原付があれば行動範囲が広がって便利である事。単純に乗っていて楽しいく気持ちいい事などを色々説明しましたが、全く理解を得られませんでした。ライダーの皆さんの中にも似たような経験をした方もいるのではないでしょうか?
何故当時私の友人は理解してくれなかったのか。そして私は友人を理解させることができなかったのか。

人が物事を理解するという行為には仕組みがあります。私たちは様々な事を理解し納得していますが、今回は「バイクに対して悪いイメージを持っている人」を例に挙げてその仕組みを解説していこうと思います。
あくまで参考例なのでよくある「バイクの乗る事を反対している親(パートナー)を説得する方法」とは少し内容が異なります。
ですが、理解の仕組みが分かれば人の説得にも役立つかもしれません。
ぜひ最後までお付き合いください。


理解の仕組み。それは二つのアンカー。


結論からお話すると理解というものは二つのアンカー(錨)によって成り立っています。船を固定しているあの錨です。
そしてその二つのアンカーとは世界観(イメージ)と実例(証拠)です。
理解を変えるとはこの二つのアンカーを同時に動かす事。
それぞれをもう少し詳しく解説していきましょう。

理解を構成する一つ目のアンカー「世界観」


一つ目のアンカーとなるのが世界観です。イメージと置き換えてもよいでしょう。
バイクに対して悪いイメージを持っているというのがこれにあたります。
「バイクなんて危ない。不良の乗り物。うるさい」等々。
もちろんすべてのバイク、ライダーがこれに当てはまるわけはなく、全体の中の一部分です。ですがこのような世界観(イメージ)を持っている人はこれが全体に見えています。木を見て森を見ずというところでしょうか。

同時にその人が所属しているコミュニティも影響してきます。バイクに対して悪いイメージを持っている人は周りにも同じような認識の人が多い可能性があります。バイクが危険と言っているのは私一人じゃない。周りの人もみんな言っている。世界観はコミュニティにも支えられています。

理解を構成する二つ目のアンカー「実例、見本例」


二つ目のアンカーが実例、見本例または証拠です。
一つ目のアンカーである世界観の根拠となるものです。
バイクが危ないというイメージを持っている人はただイメージを持っているだけでなく、おそらく何かしらの実例を見たり聞いたりしたはずです。
バイク事故のニュースを見た、うるさいバイクや危険なバイクの運転に遭遇した。すると「ほら、やっぱりバイクは危ないしうるさいじゃん」となり、世界観に対する証拠を発見します。
実例が一つ目のアンカーである世界観(イメージ)を作り出し、また強固なものにしていきます。
逆に実例が無く世界観のアンカーのみだと理解としては弱くなります。
「バイクって危ないしうるさいイメージがあるなぁ。・・・まぁ実際見たことは無いんですけども。」だと理解ができているとは言い難いはずです。

理解を変えるには両方のアンカーを変えましょう

人の持つ理解を変えるには両方のアンカーの両方を引き上げる(変える)必要があります。片方だけではなく両方です。
今回の例ではバイクに対する良いイメージを持ってもらう。そしてその為の証拠をたくさん用意しましょう。
順番としてはまず実例、見本例を示します。その後で世界観、イメージを変えていきましょう。

実例、見本例で説得


世界観の根拠となる実例は多いほど効果的です。
町を歩いている時、車を運転している時にバイクに注目してもらいましょう。ほとんどのライダーは普通に走っている。
うるさいバイクなんてほとんどいない事が実感できるかと思います。
面白いバイク動画、コンテンツもたくさんあります。
モーターサイクルショー等のイベントに連れ出すのもよいでしょう。実際に様々なバイクを見て、触ってカッコよさを体験できます。
バイクは不良の乗り物という人には実際のライダーを見せて(会わせて)あげましょう。良くも悪くも不良とは程遠い人たちが多いです。
このように証拠をたくさん見せる事で見本例のアンカーが変わります。

世界観(イメージ)を変える。


上記のように実例をたくさん提示していると少しずつバイクに対する世界観のアンカー変わってきます。なんだかバイクって面白いのでは?と。
所属するコミュニティも重要です。世界観を変えるとは所属するコミュニティを変える事でもあります。専門用語では正統的周辺参加と言います。
「バイクは楽しくて人生を豊かにしてくれるもの」という認識のコミュニティに属しているとバイクがそうである様に見えてきます。属するコミュニティはリアルでなくともSNS等でも同様です。


まとめ

理解に関する二つのアンカーを説明してきました。
理解を変えるには二つのアンカーである「世界観」と「実例」の両方を変える必要があります。
実例をたくさん示す事で徐々に世界観が変わっていくはずです。
理解に関しては様々な理論や研究がある為今回解説した内容は一説に過ぎません。また例に挙げた内容も二つのアンカーを説明する為なので現実に即していない部分もあります。
ぜひ皆さんの中でも様々な事象に置き換え、あてはめていただくとより理解が深まると思います。

例)投資が危険だと思っている人
  世界観・・・投資は損をする。ギャンブル。借金を背負う。
        身の回りに投資をしている人が居ない。
  実例・・・株価が暴落して途方に暮れている人をニュースで見た。
       自分、または知り合いが実際に株で損をした。

例)中国製品の品質を信用してない人
  世界観・・・中国製品は質が悪い。すぐに壊れる。
        SNSやレビューでも同じ意見をよく見る。
  実例・・・中国製品を買って失敗した。すぐに壊れた。

物事は様々な角度から見ることができます。同じ物事でも角度を変える事で異なる一面が見えてきます。
茶色くて丸いガラスっぽい物体にしか見えていなかった物が、角度を変えて見てみるとビール瓶でした。という具合です。
そして人は大抵の場合において一方向からしか物事を見ていないのではないでしょうか。
バイクに対して悪いイメージを持っている人は「もしかしたらバイクには自分が知らない良い面があるかもしれない!」とは思いませんし、わざわざ調べることもしません。

理解を構成する二つのアンカーを変えるという事は物事を見る角度を変えると言い換える事が出来そうです。
他人の理解を変えるという事は簡単ではありません。ですが理解は二つのアンカーで構成されているという事を知っていればアプローチは変わってくるはずです。

この記事がバイクライフのみならず、日常生活や職場等で少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。


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