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今日ときめいた言葉17ー「大人になっても、忘れ物は取りに帰れるんですよ」
(2023年1月15日付 朝日新聞 窓「リングに残した夢を」)
新しく開業したボクシングジムに大学生の時、一期生として通い始めた男性。しかし、父親の介護のため1年で断念。
それから8年間の介護生活を送った。父親が亡くなった後、介護者への支援を訴えて市会議員になった。3期務めたが「介護に対する後悔はない。でも、自分の人生に対する後悔がある」と、再びボクシングを始めた。一期生の仲間はみんなプロになっていたそうだ。
17年ぶりのボクシング再開。ジム主催の大会でリングに立ち、初めて試合をすることができた。たった4分で試合は終わった。この言葉は、介護のために全てを諦めなければならなかった男性がその試合の後、自分にボクシングを一から教えてくれたトレーナーに語った一言である。トレーナーは還暦を機に引退することになっていた。
「間に合いましたね。大人になっても、忘れ物は取りに帰れるんですよ」
「勝てないけど負けない」生き方を見た。やり残した思いは自分でケリをつけるしかない。
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