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今日ときめいたこと117ー「マラリアワクチンができた❣️」

(タイトル画像は、マラリア・ノーモア・ジャパンから転載)

(2024年2月18日付朝日新聞 グローブ第297号から)

「マラリアワクチン」
と聞いても多くの人には、なんの感慨も起きないかもしれない。でもちょっと前までは、日本にも存在したし、沖縄戦では多くの島民がマラリアで命を落としている。

天然痘は撲滅され地球上からなくなったけれど、マラリアはワクチンもないし防げない感染症だとずっと言われてきた。

私がなぜこんなにもマラリアに思い入れがあるのかというと、その状況を現地で見てきたからである。もう半世紀近く前になる。ボランティア活動でアフリカのタンザニアに行くことになり、色々な感染症から身を守るため、黄熱病、破傷風、肝炎などの注射をし、狂犬病のワクチンや抗生物質などを携行した。でもその当時マラリアに対する予防薬はなく、蚊にはくれぐれも刺されないようにということしかなかった。

マラリアにかかった時の治療薬としてプリマキンという薬を携行したが、根治できるほど有効な薬ではなさそうで、副作用として肝臓がやられる危険性があるとも言われた。その頃一般的に用いられていたのはキニーネだったが、それよりは若干体に優しそうぐらいの認識だった。

実際現地では、マラリアはとても身近な病気だった。日本人ボランティアの多くが一度ならず何度もかかった。マラリアにかかると黄疸症状が出て顔も目も黄色く変色し、高熱に何日もさいなまれる。現地のタンザニア人などマラリアでも仕事に来るほど日常化していた。でも栄養不足の幼児や病弱な老人は命を落としていた。

ボランティアの中にも一人、劇症肝炎を発症して亡くなった人がいた。そして、我がイーオットもマラリアにかかった。高熱が続き、汗を大量にかいて、本人曰くものすごく辛かったそうだ。血中に原虫が生息し続けるそうで彼は輸血ができない。疲れたりすると発症すると言われたが、帰国して今だにマラリアを発症してはいない。

そのマラリアのワクチンができたとのこと。一つは、グラクソ・スミスクラインが開発したもので、マラリア原虫が肝臓に入って増殖するのを防ぐ効果があり、感染を40%減らせるそうだ。もう一つは、オックスフォード大学が開発したもので75%感染を減らせるそうだ。

私が10年住んだマレーシアでもデング熱と並んでマラリアは撲滅対象であった。年間2億人が感染するというマラリア対して、このワクチンはアフリカ、アジア、南米をはじめとする多くの国々の人々にとって大いなる光明である。デング熱は日本の製薬会社によって開発が進められたが認証には至ってない。





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