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今日ときめいた言葉180ー「人間の知的能力には二つある」

(ヘッダーイラストは中外製薬から転載)

(2024年7月14日付朝日新聞 「50代からの幸せとは」国立長寿医療研究センター 西田裕紀子氏の言葉)

我々は加齢とともに体力、知力の衰えを感じ日々不安になる。よる年波には抗えないと自分を納得させても、70、80、90歳代を過ぎてもすごい活躍をしたり、体力を維持していたりする人がいることを知って落ち込んだりする。自分とは何が違うのか。そんな疑問に答えてくれる記事に出会った。

西田氏の説明によると、我々の知的能力は流動性能力(fluid inteligence)と結晶性知能(crystallized intelligence )の2つの能力に分けられるそうだ。

流動性能力とは「新しい環境に適応するため、情報をすばやく獲得、処理し、操作していく知能です。情報処理のスピード、直感力、新たな法則を発見する能力などを含んでいます」心理学の研究で加齢に伴い低下することが分かっている。

結晶性知能は「経験や学習によって後天的に獲得、蓄積される能力であり、年を重ねるほどに成熟していきます」下図のような能力が挙げられる。

流動性知能と結晶性知能のイメージ

西田氏は、結晶性知能のシンボルとして音楽や旅、マラソンなど多彩な経験を統合して文学やラジオ番組に昇華させている作家の村上春樹氏をあげている。

一方で、流動性知能の低下を止める方法として、大切なのは「経験への開放性」だと言います。「開放性」とは、好奇心が強く、新しい経験への挑戦を好む特性で、知的な能力を維持するために効果を発揮するそうである。この開放性の高さが、記憶をつかさどる海馬の体積と関連することが報告されているそうだ。

直感力やスピードには弱そうだけど、理解力、洞察力などの後天的に蓄積した能力をフルに駆使して何とかサバイブしなきゃ、ですね。


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