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未来の私のために。あの時何に感動したのかを思い出すために。

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今日ときめいた言葉。日常生活で出会った素敵な言葉、心動かされた言葉あるいは事柄について書いています。そんな言葉に出会った時、凡庸な日常が一瞬輝きます。ああ、私は言葉に生かされてい…
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#エッセイ部門

「初恋」から「成熟した恋」に‥‥そんな視点でドラマを見る

初恋はなぜ破れるのか? (https://duarbo.airnifty.com/songs/2007/06/post_5c06.html) 上記、二木絋三氏のサイトの解説によると、 「ほとんどの場合、若者の初めて恋する対象が相手その人ではなく、相手を素材として心の中に創り上げた幻影だったことに起因しているようです。よく耳にする「恋に恋する」という言葉は、これを表現したものといってよいでしょう。  恋されているのが自分ではなく、自分の虚像だったことに相手が気づいたとき、

今日ときめいた言葉57ー「過去にどんなことがあったかなど、あなたの『いま、ここ』には何の関係もないし、未来がどうであるかなど『いま、ここ』で考える問題ではない」

この言葉は、「嫌われる勇気」(岸見一郎・古賀史健 著)の中に記されている。この本は、哲人と青年の2人による会話形式でアドラー心理学の考えを解説したものである。 タイトルの言葉は、人生を線としてとらえる従来の考え方ーーつまり、「いつどこで生まれて、どんな幼少期を過ごし、どんな学校を出て、どんな会社に入ったか」と言うように、人生を因果律に基づく物語としてとらえて、だからいまの私がいて、これからのわたしがいるという考え方(フロイド的な原因論の考え方なのだとか)ーーを否定して、発せ

今日ときめいた言葉56ー「孤独でいるために、まわりに人を必要とする」

(2023年6月11日付朝日新聞 「折々のことば 鷲田清一」から池内紀氏の言葉) 上記の記事によると、ドイツ文学者池内氏は自著の中で「音楽の都ウィーンのカフェは、孤独にふけるのにうってつけの場所である」と言っているそうだ。 「人々が無名のまま隣りあうこの場所でそっとおのれを解く(ほどく)。群衆の中に埋もれるかのように」と。 我々日本人が「孤独」と聞いて、イメージするのは否定的な意味合いを持った心理状態だろう。「孤独」について、tbsradio.comの記事が以下のように

今日ときめいた言葉48ー「ついつい口うるさくしちゃう、けど、ここにいてくれるってだけでありがとうなんだよね」(続編)「我が家にもあった娘たちからの手紙」

ちびまる子ちゃんのお母さんの言葉: 「なんでだろう、いつもなんでも話してるのに、ちゃんと言葉にできなくて、 大事だよって、ちゃんと伝えなきゃね」 そして、呼応するように右側は、ちびまる子ちゃんの心の言葉。 今日発見したのが娘たちからの手紙(三女が書いたもの)。これは、2008年の父の日に寄せてくれたものだけど、ずっと失念しておりました。まさに、ちびまる子ちゃんの思いそのものの手紙でした(感涙にむせぶー母=私😅) 娘たちには感謝の気持ちでいっぱいです。こんな母親の叱咤激

今日ときめいた、ではなく思い出した言葉42ー「あなたにおばさんと言われる筋合いはない」

日々の暮らしの中で、フッと思い出す昔の出来事や言葉がある。今振り返ると大人げないことだったかなと思ったりもするが、その時は私も必死で、自分を省みる余裕もなかったのだ、と自分に弁解している。 今日思い出したのはそんな出来事の一つである。英語の専門学校に通学していた時のことだ。その学校は、その頃東京では、ちょっと名の知れた3年制の英語学校だった。会社の委託授業なんかも請け負っていたので、休み時間はスーツ姿のサラリーマンが大勢たむろしていた。 クラス分けのテストがあって、下のレ

今日ときめいた言葉ではなく出来事41ー「孫が来た!」

「孫が来てすごくうれしい。でも帰った時はもっとうれしい❣️」 綾小路きみまろのギャグだ。ジジババの心境をずばり表現していて名文句だと思う。 Covidのためにアメリカへの渡航を自粛して、もう3年がたってしまった。長女の第4子は会えない間に生まれ、すでに3歳になっていた。この6人の家族が、静かに暮らしていた我々夫婦の日常を破壊した。 朝は時差もあってか5時過ぎから騒ぎ出す。起きたらすぐ朝食の準備。ソーセージだ、ベーコンだ、ゆで卵は半熟じゃないと食べない、と注文の多い食堂の

少子化って経済だけの問題なの?

補助金が出たり、手当が出たり、制度が整備されたら少子化が改善されるのだろうか?子供を産み育てることは、もっと個人的なことだと思うのはあまりにナイーブかしら? この問題を経済的な視点で議論する限り、何ら改善には向かわない気がする。生活レベルが上がり、経済的にゆとりが出てきたからといって、いざ子作り、子育てということにつながるだろうか。 子供が可愛い、子育てが楽しいという個人のレベルで感じなければ子供を産み育てる気にはならないだろう。私など「子供が可愛い」と思えるようになった

汚水浸水、獣医師の注射、泥棒そして寄生バエ😱ー私だけかもしれないレア体験

私はタンザニアでボランティア活動をしておりました。ここでは思いもよらないことが始終起こります。停電や断水は日常のことでさほど気にもなりません。 ただ、汚水管が詰まり、我が家(5階建ての2階)から上の階の汚水が我が家の排水溝から吹き出し部屋という部屋を満たし、水深が30センチぐらいになった時はさすが絶望しました。私一人では打つ手もなく、その汚水に満たされた部屋のベッドの上で三日三晩過ごしました。 この時ばかりはタンザニア人の不道徳を呪いました。でも正義の味方が現れ汚水管を開

”セントルイス・ブルース”ー「生きていたいと言う希望」であり、「人間であることを自覚させてくれた」曲

                        (写真はセントルイスの風景) https://youtu.be/xte8OH2W9iM (YouTubeから転載) NHKドキュメンタリー「世紀を刻んだ歌2 セントルイス・ブルース」から この有名なジャズの名曲“セントルイス・ブルース”は、1914年にC.W.ハンディによって作られて以来一世紀以上にわたって世界中で愛され続けている。2002年時点で録音回数は1500回に及ぶという。 ハンディの長い放浪生活、貧困と差別の中

今日ときめいた言葉9ー「日本人は日本語を実に粗末に扱ってきた」

「人間をある人間たらしめるのは、国家でもなく、血でもなく、その人間が使う言葉である。 日本人を日本人たらしめるのは、日本の国家でもなく、日本人の血でもなく、日本語なのである。それも、長い<書き言葉>の伝統をもった日本語なのである。 (「日本語が滅びるとき」ー英語の世紀の中で 水村美苗 著) それなのに我々日本人は、長い歴史を通して日本語を粗末に扱ってきたと水村氏は言う。1500年前は漢文(真名)に対する大和語(仮名)という下位に来る言語として、明治近代以降は西洋語に対す

関東弁と関西弁、アクセントが違うだけではないー声優になるために克服しなければならないこと(⁈)

昔、日本語教育長期研修を国立国語研究所で受けていたときの一コマである。カラスの鳴声「カー」。文字に表すと同じなのに、音声にすると違う。一人ずつカラスの鳴きまねをさせられて気がついた。当時日本語教師に求められていたのは、いわゆる「共通語」というか東京方言。ま、関東とりわけ東京山手(もう死語かな?)あたりの発音だった。 先生が聞き分けて、失格になったのは「関西圏」の出身者であった。その時気付かされたのは、関西のカラスの鳴きまねは「有声音」で、関東のは「無声音」だということだ。こ