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未来の私のために。あの時何に感動したのかを思い出すために。

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今日ときめいた言葉。日常生活で出会った素敵な言葉、心動かされた言葉あるいは事柄について書いています。そんな言葉に出会った時、凡庸な日常が一瞬輝きます。ああ、私は言葉に生かされてい… もっと読む
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2023年1月の記事一覧

今日ときめいた言葉64ー「君を愛してもいいか? 愛してくれとは言わない」

(冒頭写真はwww.hallo.tvから転載) 「父が一度も口にしたことがない言葉を言った。『すまない』と。俺も一度も口にしたことがない言葉を言いたい。『君を愛してもいいか?』『愛して』とは言わない。だが俺も愛し方を教わりたい。君の温かい心を学びたい。俺も君のように生きたい。ダメかな」 韓国ドラマ「ジキルとハイドに恋した私」(第15話)から。 「君を愛してもいいか?」 こんな風に慎ましく愛の告白をするこの男性は、孤独と自責の念から何度も自殺を試み、感情を押し殺して生きて

今日ときめいた言葉18ー「当事者でないものが同情や共感などを表現するには相応の覚悟がいる」(この言葉に書くことが怖くなった)

(2023年1月27日付 朝日新聞 「斜影の森から」福島申ニ氏の言葉) 「遠くのできごとに人はうつくしく怒る」 詩人石川逸子の言葉だそうだ。自分から遠い理不尽や、遠い人の苦痛に対して、人はたやすく、美しい正義感を抱きがちだ。だからこそ、偽善と感じない偽善、感傷と自覚しない感傷の心地よさにとらわれてしまう」 新聞記者として、そうなるまいと福島氏が自戒してきた言葉だそうだ。氏はさらに作家山田詠美の言葉を続ける。 「ヒューマニズムは、自分と関係のない場合にだけ、熱く語られる

今日ときめいた言葉17ー「大人になっても、忘れ物は取りに帰れるんですよ」

(2023年1月15日付 朝日新聞 窓「リングに残した夢を」) 新しく開業したボクシングジムに大学生の時、一期生として通い始めた男性。しかし、父親の介護のため1年で断念。 それから8年間の介護生活を送った。父親が亡くなった後、介護者への支援を訴えて市会議員になった。3期務めたが「介護に対する後悔はない。でも、自分の人生に対する後悔がある」と、再びボクシングを始めた。一期生の仲間はみんなプロになっていたそうだ。 17年ぶりのボクシング再開。ジム主催の大会でリングに立ち、初

今日ときめいた言葉16ー「悲しみのみが悲しみを慰めてくれる。淋しさのみが淋しさを癒してくれる」

(2022年12月21日付 朝日新聞 寄稿「思い出して生きる」評論家 川本三郎氏の言葉から) 川本氏が奥様を亡くされてからの14年間の思いを綴った寄稿文である。奥様との思い出を慈しむように語っていられる。とても素敵な方だったのだろう。それは川本氏の文章から十分汲み取れる。 「悲しみや寂しさは消えることはないが、もう慣れた」と書かれているが、川本氏が引用した柳宗悦の言葉からは、川本氏の心情がひしひしと伝わってくるようだ。 「悲しみのみが悲しみを慰めてくれる。淋しさのみが淋

南極から絵葉書が届いた!ー私だけではないかもしれないけど、ちょっとレアでしょ?

送り主は、三人娘の末っ子から。届いたのは、確か去年の3月の終わりだったかな?消印は1月29日! ❤️現地から送られてきた写真を楽しんでください❤️ 私はついこのセリフを思い出しました。  “I can go to Africa and even Antarctica, but not here.”  “It’s a shame that you live here” “It’s a shame that you live there.”  「アフリカにも行ける

「子供が可愛い」と思える日が来るなんて・・・ね〜!!

独身時代も結婚してからも「子供が可愛い」なんて思ったことなかった。電車で騒いでいれば、これ見よがしにその子をにらんだし、レストランで子連れが隣にいたら席を替えてもらった。公共の場で子供を騒がせるのは親の教育がなってないからだ。そもそも連れてくるもんじゃない、なんて偉そうに。 結婚して3年後、夫と共にボルネオに赴任して、上司の秘書兼通訳として働いていた。バリバリ(?)働いていた時、妊娠した。これからと言う時に!ガーンと全てが閉ざされた思いだった。無性に悲しくて涙がこぼれた。お

今日ときめいた言葉15ー「自然の時間」と「レンタルさん」、孤独感から人々を救うのはどちらだろうか?

(2023年1月6日付 朝日新聞「ほっと幸せ『自然な時間』」霊長類学者 山極寿一氏の言葉) (2023年1月7日付 朝日新聞「ともしび わたしのよりどころ」ーなんもしない 頼り頼られーから) 社会が不安だらけになっているのは、「時間の使い方」に問題があるからであると山極氏は言う。 人類は、本来「自然の時間」の中で過ごしてきた。 「自由に動き、集まり、自分と違うものと対話することで、違う視点を得て、自分や社会の未来を作ってきた」 だが産業革命以後、時間を管理して効率的に使

今日ときめい言葉14ー大谷選手の言葉「どういう成長できるかな、どういう発見があるのかな、という楽しみの方が大きい」

(冒頭写真はNHK www3.nhk.or.jpから転載) (2022年11月12日放送 NHKスペシャル 「メジャーリーガー大谷翔平」〜2022 アメリカの新たな伝説へ〜から) 大谷選手「こういう結果を残したい、みたいなものは、あんまり考えてないです。逆にどういう成長できるかな、という楽しみのほうが大きい。バッターも去年結果が出たからといって、全部が全部同じようにやれるかといったら、そうではないので。もっとよくなるためにいろいろ試すし、どういう発見があるのかなと思って、

今日ときめいた言葉13ー「努力を続けるには、楽しむことが欠かせない」

(冒頭写真は、wowwowtennisworld.jpから転載) (2023年1月3日付 朝日新聞「フェデラーさんに聞く」からフェデラー氏の言葉) 「努力を続けるには、楽しむことが欠かせない。そして、打ち込むことによって楽しみを見いだせる。仕事を楽しめたら、義務的な苦痛から解放される。そうした感覚への到達は、必ずしも容易ではないけれど、『楽しむ』『打ち込む』のバランスにはいつも心を配ってきた」 昨年引退したテニス界のスーパースター、ロジャー・フェデラー氏のインタビュー記

今日ときめいた言葉12ー「勝てないけど負けないを目指す」覚悟が問われる時代

(2023年1月1日付 朝日新聞「『覚悟』の時代に」宗教学者 山折哲雄氏の言葉) 日本人が覚悟を求められるときに使う言葉 ー「死ぬ覚悟で」 「死」と「覚悟」が結びついたのはなぜか? 戦のなくなった世の中で武士が主君にどのように忠誠を尽くせばよいのかを強調するために、死が注目されたと山折氏は言う。さらに転機になったのは「葉隠」で「観念的に過激化させた思想」が、 「武士道というは死ぬ事と見つけたり」 である。しかし、「葉隠」には、勇ましい形で死の覚悟を促す生き方の他に、も

今日ときめいた言葉11ー「絶望を救うのは、日常そのものだけなのです。朝のコーヒーの一杯でもよい。何か人間らしいことによって、人は救われるのです」

(2023年1月1日付 朝日新聞 「誰もが孤独の時代 人間性失わないで」 スベトラーナ・アレクシエービッチさんの言葉から) 彼女は、「戦争は女の顔をしていない」で独ソ戦を戦った女性兵士の声を集めて戦場での生々しい現実を描いた作家で、ノーベル文学賞受賞者でもある。他にもアフガンに侵攻したソ連兵やその遺族、チェルノブイリの事故の遺族や被災者を取材して社会や時代の犠牲になった人々の声を作品にしてきた人でもある。 そんな絶望の淵にいる人々を見てきた彼女が、 「絶望を救うのは日常

教育とは日々の暮らしの中で手渡されるのだと実感した日−2023年1月1日

アメリカはまだ大晦日。年越しそばを食べているのは、長女の家族(下の2枚)と次女の家族の食卓(上の写真)。 長女のうちは、うどん。 こちらは次女のうちの食卓 年越しはお蕎麦を食べなさいと教えたわけではないけど、長いマレーシア滞在の後、日本に戻って家族5人で過ごした短い生活の中で娘たちが感じ取っていたアイディアなのだと思う。 マレーシアのインターナショナル・スクールにいた時、「子育てで大切なのは、良い教育と栄養のある食事」とアメリカ人のママとよく話した。 日本に戻った時