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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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#ニュースからの学び

今日ときめいた言葉79ー「独裁者のいない全体主義」

2023年9月30日付 朝日新聞 「近代日本メディア史 Ⅰ & Ⅱ」(著者 有山輝雄氏 メディア史研究者)についての書評からー 「独裁者のいない全体主義」ーこの著書にある言葉だそうだ。日本社会を的確に表現している言葉ではないだろうか。すごく納得してしまった。 「この国に独裁者はいない。しかし政権がきめたことが、たとえ少なからぬ人が首をかしげても、さしたる騒ぎにならず浸透していく。メディアはそんな社会を醸成してきた主要な仕掛けではないのか」と、この言葉を評者は解説する。

今日ときめいた言葉82ー「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」

(2023年10月8日付 朝日新聞 日曜に想う「歴史に向き合う用意はあるか」記者 有田哲文氏の言葉から) 下記の記事は、朝鮮人虐殺にかかる松野博一官房長官の発言について衝撃と羞恥心を持って書いたものだ。 この記事「歴史に向き合う用意はあるか」は、不都合な歴史に対する我が国の政府とドイツ政府の向き合い方の違いについて、それぞれの政治家が発した言葉を通して書かれたものだ。 都合の悪い事実に対する日本政府の答弁の定番は、 「記憶にございません」 森友・加計問題では、 「

今日ときめいた言葉76ー「誤解を与えた」「重く受け止める」‥‥それ、謝罪ですか?うわべだけの「フェイク謝罪?」

(2023年9月14日付朝日新聞 オピニオン&フォーラム「それ、謝罪ですか」から) ちょっと前の記事に、謝罪することを忌避する日本の政治家について書いた。 朝日新聞のこの記事でも、日本人及び日本の政治家の謝罪のあり方について、三氏が語っている。 劇作家 古川健氏は、日本人は戦争責任について「事態を引き起こしたのが自分だという自覚がない」と言う。そのことが現在にまでつながっている。自らの責任に向き合うことでしか責任は取りようがないのに、「しかたがなかった」と言って責任逃れ

今日ときめいた言葉74ー「ニュースに心が疲れている?」・・・そんな風に感じる時ありませんか?

(2023年6月16日 朝日新聞 「パブリックエディターから/新聞と読者のあいだでーニュース回避 疲れた心に配慮を」藤村厚夫氏の記事から) 最近、なんだかニュースを聞いたり読んだりしたくない。もうちょっと、たくさんだなあという気分でいる。コロナやウクライナ侵攻そしてたくさんの死者数、トランプ前大統領の不快な演説、子供の虐待等々。悲しくてつらいニュースに押しつぶされそうだ。皆さんはどうだろうか? そしたら、上記の記事によると、「人々がニュースを意識的に避けようとしているのは

今日ときめいた言葉50ー文章術「スピードだけがサービスじゃない。言い切らない。断罪しない。文章にふくらみを。人格に奥行きを」

(2023年5月23日付 朝日新聞 「新聞記者の文章術」編集委員 近藤康太郎氏の記事から) 上記タイトルの言葉は、前にも取り上げた近藤康太郎氏による「新聞記者の文章術」という連載記事からのものです。 文章術について、先の記事で近藤氏は、 「他者はわたしに興味がない。厳然たる事実です」 と書き、文章を書くにあたり「謙虚であれ」と戒められた。 そして今回の記事では、上記の言葉「スピードだけがサービスじゃない。言い切らない。断罪しない。文章にふくらみを。人格に奥行きを」を

今日ときめいた言葉36ー坂本龍一氏の言葉「“届く言葉”を練っていかないと届かないと思う」

                (タイトル写真はNHK NEWS WEBより転載) (2023年4月9日放送 「サンデーモーニング 風をよむ〜坂本龍一さんが遺したもの」から) <坂本氏の言葉> “届く言葉” 歌の中によく出てくる『愛』っていう言葉がありますけど、僕たちは『愛』って聞いただけで嘘くさく感じてしまう。 『平和』『反戦』とか言われただけで、拒否反応が起きてしまう人がいるのもよく理解できるんです。 ”届く言葉“を練っていかないと届かないと思う。 "非戦"

今日ときめいた言葉31ー「政治家よりもまともな国家や共同体を作るのが小説家の仕事だ」

(2023年3月8日付 朝日新聞 「有事の前例『明後日の日本』」から小説家・法政大学教授 島田雅彦氏の記事から) 「政治や経済はシステムや権力を最適化したり、効率よく運用したりするジャンルだが、文学は個々の心情や感情、知性の自由な働きにのっとっている。 心折れる現実、マフィア化したこの国家、出口の見えないこの戦争から逃れ、自らの生存に最適な異世界をどのように立ち上げるか、といったところに知性が発揮される。 現実の主権国家も『想像の共同体』に過ぎないのだから、独裁制ではな

研究者を大切にしない国の未来(2)ー「本気で感染症に向き合ってこなかった理由がここにある」

2022年11月6日付 朝日新聞「コロナ研究 日本低調」が示唆していることは? 新型コロナ関連の日本からの研究論文数は、上記データの通りG7(主要7ヵ国)で3年連続最下位の見通しのようだ。全てが万事、研究及び研究者に対する今までの日本政府の姿勢及び対応のあり方が招いた結果であろう。 日本の大学院生に対する社会の待遇ーoverqualified 資格過剰なる言葉に象徴される現状、研究者の研究環境ー若手研究者が研究できない現状、海外への頭脳流出、有期雇用など不安定な雇用状況、

今日ときめいた言葉5ー「市民たちには自由も意志もない場合は、恐れとへつらいが(投票を喝采に変えてしまい・・・)、崇拝するか、呪うかのどちらかになる😱」・・・独裁国家の行く末‼️

(タイトル写真はチェコにあるテレジン収容所墓地。アウシュビッツに送られる前の中継地。テレジンはマリア・テレジアから取られていると言う。かつてはオーストリアの要塞だったところだそうだ) (2022年10月19日付 朝日新聞「時事小言」ー共産党独裁の行く末はー藤原帰一氏の記事から) 上記の言葉は、中国の習近平国家主席の3期目就任時の演説会場を埋め尽くした大勢の参加者の光景を見ていて、藤原氏が思い出したジャン=ジャック・ルソーの言葉だそうである。  この言葉は、奴隷状態に置か