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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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#日本の学校教育

今日ときめいた言葉60ー「子どもの声 気にして配った心」

(2023年7月8日付 朝日新聞 「飛行機で手紙『うるさいときは教えて』」から) この記事は、カナダから2歳と生後8ヶ月の二人の子供を連れて東京に向かう夫婦が機内で配ったキャンディーと耳栓と手紙(「二人の子供がうるさくしたら教えてね」という内容)を受け取った女性のコメントについてである。「この手紙が機内の空気を柔らかくした」と語っている。 「ああ、いまだに子連れは周りにこんなにも気を使うのね」とちょっと愕然とし、自分の子育て時代を思い出してしまった。1980年代後半のこと

今日ときめいた言葉7ー「あなたの人生はあなたのもの。自分を大切に、勇気を持って、思うがままに生きていけばいい!」

上記は、自身が自閉症スペクトラム症と注意欠陥・多動性障害(ADHD)、書字障害がある青年の言葉である。 2022年11月12日付 朝日新聞「入学初日 越えた日本での壁」から。 自身の障害が日本の学校での学びを困難にしていたが、海外のインターナショナルスクールでは、そんな障害は問題にはならなかったと言う体験に基づく話である。 日本で、書字障害のために高校入試時のパソコン使用を求めたが、拒絶された。その後、父親のベトナム赴任に伴い、現地のインターナショナルスクールに入学して、

私たちはなぜ学ぶのか(6)ー夜間中学で学ぶということ

2022年11月6日付 朝日新聞「変わる夜間中学 変わらぬ学び」の記事に思う。 記事によると、2020年の国勢調査の結果、義務教育の未修了者数は全国で約90万人いるそうである。夜間中学は、現在15都道府県に40校あるが、かつては全国に80校以上あったという。それが1950年代以降、減少していった。 夜間中学は、授業料は無料、卒業すると中学卒業資格が得られる。戦後の混乱期、仕事や家事で昼間学校に通えない生徒のためにできたが、現在では、外国籍の生徒や不登校の生徒が増えているそ

「私たちはなぜ学ぶのか?」(4)ー「学びを通じて新たな視点を得ると、世界が違って見える」から。

人類学者 磯野真穂氏の考える「学ぶ意味」とはー 「ひとつは、学士号や修士号といった資格が生きていく上で有利に働くからでしょう。現状では、多くの人にとっての目的はこれかもしれません」 「ただ、私が思うもっと大切な理由は、『そのほうがおもしろいから』です。学びを通じて新たな視点を得ると、世界が違って見える。私はカラスやマンボウなど、『なんでそんなものに人生をかけているんですか?』と言われそうな何かをひたすら研究したり、何かひとつのモノを作り続けていたりする人の話を聞くのがとても

またしても日本の学校教育、大丈夫?ー日本人科学者が中国に流出するわけ

(2022年9月2日付朝日新聞から。上海・復旦大学に移った服部素之教授へのインタビュー記事「日本人科学者 なぜ中国へ」から) ここにも変わらない日本型教育体制の弊害が現れている。教授によるとアメリカでも中国でも博士号取得後の若い世代が、次々と自分の研究室を持つような状況にあるのに、日本では「でっち奉公」が長いそうだ。研究室が持てるようになるには、さらに10年ほど余計にかかる場合があるそうだ。 これでは30代40代の早く研究したい研究者は、研究できる環境を求めて海外に流出し

知らなかったのは私だけ?ー「PTAは任意加入の団体」で、「加入を義務付ける法的根拠はない」という事。

Wikipediaによると、PTAとは以下のように定義されるようだ。 「日本におけるPTA(ピーティーエー、英語: Parent-Teacher Association)は、各学校で組織された保護者と教職員(児童を含まない)による社会教育関係団体。児童・生徒はPTA会員ではない。皆等しく活動の支援対象でもある[1]。任意加入の団体であり、結成や加入を義務付ける法的根拠は無く、全ての児童生徒のための無償ボランティア活動というのが、本来のあり方である。」 私は長いことPTAが

「夏休みの宿題」「自由研究」って必要ですか?

小学生の夏休みにつきもののこの二つ必要でしょうか?夏休みは、何にもない開放感を思いっきり味合わせてあげればいいのにとずっと思ってきた。何かをしていても、いつも「宿題」のことや「自由研究」のことが気になっている、言わば「生殺し」みたいな気分で過ごす夏休み。こんな状態で日々楽しく過ごせるんだろうか? 「小人閑居して不善をなす」の発想でしょうか。「漢字100回」「計算ドリル100問」忙しくさせるだけのこんな宿題、もう肉体労働でしょう。昔、夜遅くまで塾に通う日本の小学生の行為を「児