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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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2023年11月の記事一覧

今日ときめいた言葉92ー歴史学にできること「過去を過去として論じるのではなく、現代を映す鏡として見つめ直すこと」

(タイトル写真はテレジン強制収容所跡地、アウシュビッツに移送される前の中継地だった。テレジンは、オーストリアのマリア・テレジアのことである) (2023年10月19日付 朝日新聞「第三次大戦防ぐには」歴史学者 小原淳氏の言葉) 「第三次大戦を招かないために歴史学に何ができるか」との問いに、小原氏が答えたのが記事タイトルの言葉である。小原氏はさらに以下のように続ける。 「かつての人々が危機に際してどのように反応し、何を考え、いかに対処したのか。とりわけ『失敗の歴史』を学ぶ

今日ときめいた言葉90ー「客観性や数字的なエビデンスこそが真理だとされているが、経験が導く感覚の中にも真実はある」

(2023年11月1日付 朝日新聞 「こころのはなし 数値的なエビデンスなくてはダメ?」 現象学者 村上靖彦氏の言葉から) 「先生の考えに客観的な妥当性はありますか」と学生に聞かれるそうだ。 村上氏の研究は数値的な証拠を積み上げない内容なので、若い学生は数値データを使わないことに耐えられないのだろうという。 でも村上氏は語る。 「個人的な体験の中で感じたことはその人にとっても一つの真実です」 現代社会では、いつも数値的な根拠が必要で自分の経験や考えには価値がない気がし

今日ときめいた言葉89ー「難しいとしか言わない人は、大体において現状を変えたくない人なんですよ」

(2023年10月15日付朝日新聞 日曜に想う「少数派の痛み見ぬふりしない」中田喜直氏の言葉から) (タイトル画像は孫の作品❤️) あの、「小さい秋みつけた」「夏の思い出」「雪の降る町を」の作曲家 中田喜直氏の言葉である。妥協のない姿勢で闘い続けた人であったそうである。 「あなたひとりが頑張ってもどうしようもないのだ。そんな風に個の意志を冷笑する人たちが、やがて多数派という『権力』になっていくのだと」 「いつの世も己の心を殺すのは、弱い立場にある人々だ。傷つくのを恐れ余