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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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2022年10月の記事一覧

「私たちはなぜ学ぶのか?」(5)ー「当たり前のことが、当たり前でないと気付くためにも、学ばないといけない」

この言葉は、解剖学者 養老孟司氏の言葉である(2022年10月26日付 朝日新聞「私たちはなぜ学ぶのか」から) 養老氏は、人間の活動の大部分は「意識」に基づくが、この世界は「論理一辺倒」、人間の意識だけでできてはいない。全てのものごとを言葉にできるとは限らないと言っている。 そのような考え方を身につけるためには、もっと体を使って経験から学ぶことが重要である、と。例えば、ガスや電気が止まった時に火を起こせるか。トイレがない時、穴をどう掘るか。そういうこと=生きるために必要な

謙譲の美徳、お好きですか?ー「ほめること・愛情表現」は出し惜しみせずに言葉にしよう🥰

「つまらぬものですが」「お口に合いますかどうか」「私の愚妻」「愚息」  人前で身内や自分に関わることを謙遜して表現すること。あなたも日常生活で使っていますか?(でも夫や娘については、それに相当する言葉が見当たりませんね) 結婚した頃、夫が私のことを人前で良く言わないことを不快に思っていた。二人の時はあまり気にもならなかったけど。だからその都度、夫には抗議していた。「そういうあなたは何様なんだ」と思っていたから。最近では、私が諦めたのか、慣れっこになったのか、夫が学習して言わ

今日ときめいた言葉5ー「市民たちには自由も意志もない場合は、恐れとへつらいが(投票を喝采に変えてしまい・・・)、崇拝するか、呪うかのどちらかになる😱」・・・独裁国家の行く末‼️

(タイトル写真はチェコにあるテレジン収容所墓地。アウシュビッツに送られる前の中継地。テレジンはマリア・テレジアから取られていると言う。かつてはオーストリアの要塞だったところだそうだ) (2022年10月19日付 朝日新聞「時事小言」ー共産党独裁の行く末はー藤原帰一氏の記事から) 上記の言葉は、中国の習近平国家主席の3期目就任時の演説会場を埋め尽くした大勢の参加者の光景を見ていて、藤原氏が思い出したジャン=ジャック・ルソーの言葉だそうである。  この言葉は、奴隷状態に置か

関東弁と関西弁、アクセントが違うだけではないー声優になるために克服しなければならないこと(⁈)

昔、日本語教育長期研修を国立国語研究所で受けていたときの一コマである。カラスの鳴声「カー」。文字に表すと同じなのに、音声にすると違う。一人ずつカラスの鳴きまねをさせられて気がついた。当時日本語教師に求められていたのは、いわゆる「共通語」というか東京方言。ま、関東とりわけ東京山手(もう死語かな?)あたりの発音だった。 先生が聞き分けて、失格になったのは「関西圏」の出身者であった。その時気付かされたのは、関西のカラスの鳴きまねは「有声音」で、関東のは「無声音」だということだ。こ

「私たちはなぜ学ぶのか?」(4)ー「学びを通じて新たな視点を得ると、世界が違って見える」から。

人類学者 磯野真穂氏の考える「学ぶ意味」とはー 「ひとつは、学士号や修士号といった資格が生きていく上で有利に働くからでしょう。現状では、多くの人にとっての目的はこれかもしれません」 「ただ、私が思うもっと大切な理由は、『そのほうがおもしろいから』です。学びを通じて新たな視点を得ると、世界が違って見える。私はカラスやマンボウなど、『なんでそんなものに人生をかけているんですか?』と言われそうな何かをひたすら研究したり、何かひとつのモノを作り続けていたりする人の話を聞くのがとても

今日ときめいた言葉3ー「人間は体全体で世界を認識している」(光と音のデジタルアートの力)

(NHKテレビインタビュー 「ここから」アート集団代表 猪子寿之/タイトル写真はアート集団のデジタルアート作品 YouTube から転載) 猪子寿之氏は、音と光のデジタルアートの創作集団を率いる代表である。インタビューで語った彼の言葉にときめいた。彼のチームが手がけた数々の作品を見ると、このインタビューで語られていることを体現しようとしていることがわかる。 人間は体全体で世界を認識しているということを作品を体験することで気づかされる。 「都市にいると頭だけで理解したつも

「叱るだけでは人は学ばない」ー臨床心理士の言葉から・・・。

「叱る」ことについて、以下の記事に書かれている知識を知っていたら自分の中で何かが変わっていただろうか、と考える。子供と関わっている時は、叱られる側の子供のことも、叱っている自分のことも振り返る余裕がなかった。でも罪悪感が心に残っていて、叱った時のことを話してみると、案外子供って覚えていなかったりする。結構子供もたくましくて(いや、ずる賢くて、かな?)、かる〜く聞き流していたりするのかも? 今さらながらであるが、子供の心の傷になっていなくてよかったと思うこと、しきりである。そ

「私たちはなぜ学ぶのか?」(3)ーそれは学ぶことが楽しいから

(2022年10月5日付 朝日新聞「私たちはなぜ学ぶのか」評論家 宇野常寛氏の考える「学ぶ意味」についての記事である) 「私たちはなぜ学ぶのか?」それは、                  「学ぶこと自体が楽しいからだ」 「学ぶ楽しさ」は、本来的なものであるので、学びが役に立つかどうかなどという発想は、学びの快楽を小さなものにしてしまう。 「ただ学ぶことが楽しいのだ」 だから、学びによって、知らなかったことを吸収し、世界の見え方が変わったり、アイディアが浮かんだりした

こんな官僚もいるんだ❣️ー男女格差・ハラスメント・生理・・・女性の抱える問題解決に取り組んだ人

(2022年10月3日付 朝日新聞 「“Another Note “夫婦別姓・男女格差・生理・・・あえて波風 局長の2年」より) 林伴子氏の内閣府男女共同参画局長としての2年間の仕事ぶりについて、その功績を綴った記事である。彼女の取り上げた課題はざっと、選択的夫婦別姓についての議論再開、男女の賃金格差の是正、女性政治家や候補者に対するハラスメント、家族の形の変遷を「もはや昭和ではない」と指摘した2022年版男女共同参画白書・・・・・・。 多くの女性が直面している問題。これ

四国周遊ー車で訪ねた定番観光地

今まで金刀比羅神社しか訪れたことがなかった四国。4県の定番観光をしながら、周遊する旅程だ。2021年11月の末、早朝東京の自宅を出て、午後には明石海峡大橋を渡って、一気に徳島まで。そこで見たのが上の写真「鳴門の渦潮」テレビで見たような大きな渦は見られなかったけど、渦を巻いては砕け散る無数の渦はいつまで見ていても飽きない。この辺りの地形と潮の流れが渦を作るんだとか。 高知と言えば坂本龍馬と「桂浜」、夜は皿鉢料理(さわちりょうり) 皿鉢料理ーこれはほんの2人前。刺身、寿司、揚

「重要なのはリーディング"力"!」ー中途半端な英語習得に終わらないために「読む力」が欠かせない📔📚📕

上記タイトルは、TOEFL(Test of English as Foreign Language =外国語としての英語のテスト)対策を行う「トフルゼミナール」の加藤芳明氏が語った言葉である(2022年10月1日付朝日新聞に掲載) TOEFLでは「リーディング力=読む力は重要である」と私も思う。語彙数を増やすことはもちろんだが、知識を増やすためにも絶対必要な能力である。 しかも、TOEFLでは早く読めないといけない。TOEFLのテストは一定時間内で文章を読み、答える。聞

ドライブイン・シネマ in Tanzania

ドライブイン•シネマというスタイルの映画館を知ったのは、貧しいタンザニアの首都(当時)ダルエスサラームであった。日本でも見たことのなかったこのスタイルの映画館がこの国にあるということが不思議だった。ここだけ別格の雰囲気があった。 大きな野外スクリーンに車で乗り付けて、映画を楽しむ。昼間の暑さも忘れるほど夜気が心地よく開放感に浸れた。野外スクリーン故、タンザニア人たちは映画館の外からこの巨大なスクリーンを見ることができた。木に登ったり、壁に登ったりと館外は黒山の人だかりだ。オ