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Best Tracks of 2019 <74-50>

Best Tracks of 2019 <100-75>
Best Tracks of 2019 <49-25>

「74」
Laurent Garnier & Chambray 'Feelin' Good'

フランスのテクノレジェンドLaurent Garnierによる久々のシングルリリース。Garnierらしいアナログでルーズなベースラインとアナログなタムを主体としたグルーヴ、そしてレイヴ感強めなピアノリフで引っ張る感じは非常にクラシックマナーな仕上がりだが、それゆえにシンプルに質の高いトラックになっている。

「73」
BUDDHAHOUSE - 'Happy Orange'

日本のDJ、そしてトラックメーカーであるBUDDHAHOUSEが主宰するFRUIT PARLORより彼自身のシングルリリース。90年代のポップスやジャパニーズハウスを地でいくアナログスタイル。一歩間違ったらダサいラインのギリギリの音色使いは流石の感性でクールにまとめあげている。また彼特有のグルーヴのヨレが今回も遺憾無く発揮されており、そのフックの強さからも代表曲のひとつになるのでは。

「72」
Jungle & Ferd Janson 'Heavy, California'

名門XL Recordingsと契約しているロンドンのソウル/モダン・R&B、エレクトロニックポップJUNGLE。イギリスらしい多彩なサウンドがポップにミックスされており各シーンでも絶賛されている。選出したこの曲はRUNNING BACKを主宰するGred Jansonによるしなやかなアシッドハウススタイルのリミックス。ディスコパンク感も併せ持っておりバンドリミックスの好例といった仕上がり。

「71」
Jacques Greene, Cadence Weapon & Justin Strauss - 'Night Service'

グラスゴーの名門Lucky Meより待望のアルバムをリリースしたJacques Greeneのシングルカット。いくつかのバーションがあるがこのLo-Fi Houseスタイルに語りとアシッドを絡めたバージョンが何より印象的。昨今の時代感を非常に良く反映した佳作。

「70」
Friendly Fires - 'Lack of Love'

インディーダンスロックの新星として華々しいデビューをしたFriendly Fires。近年は活発な活動が見えなかったが、この夏は沈黙を破り彼ららしい1stアルバムを彷彿とさせる清涼感抜群のアルバムを完成させた。しかし楽曲単位ではこちらのシングルリリースをピックアップ。得意のインディーディスコスタイルに噛み合わせたアシッドサウンドは抜群の横乗りグルーヴを生み出している。

「69」
Dog Blood, josh pan, X&G - '4 MIND'

Boys NoizeとSkrillexによるスーパーユニットDog Bloodが放ったニューEPからこちらをチョイス。Boys Noizeらしいアナログでアシッドなベースを主題にした楽曲。随所に挟まれるレイヴィーなシンセも安心のBoys Noizeといった響き。エッジの効いた細かなシンセはSkrillexによるものではと推測。ハードサウンドのトップランナーとして今後も活発な活動を期待。

「68」
Jazztronik - 'FLY AWAY'

日本が誇るクラブジャズアーティストJazzytornikによる久々のリリースはご機嫌な4つ打ちの直球ディスコジャズ。ソウルフルに歌い上げるボーカルとストリングを基調とした爽やかなディスコサウンドは多幸感抜群。ブレイク明けの上昇感は朝方のダンスフロアを最高の気分してくれるはず。

「67」
Asian Dub Foundation - 'Naxalite (Adrian Sherwood Mad Scientist Dub Mix)

ミクスチャーロックの最高峰ADFが1998年にリリースしたアルバムが21周年を記念して未発表バージョンを収録し再発。中でも代表曲であるNaxaliteのAdrian Sherwoodのダブミックスは2019年リリースの新曲といっても遜色ない出来栄え。シャープなドラムワークが職人技のダブミックスでさらに磨きがかかり、ダブ空間の中で時折垣間見えるメインギターリフが際立つ絶品。

「66」
Beck - Saw Lightning

オルタナティブロックの雄Beckが放ったニューアルバムから先行シングルカットされたこちらの楽曲。ギターとハーモニカのブルージーな旋律、オールドスクールな質感のビート、ポップコーン調のMoogシンセが重なるダンサンブルでポップでありながら深みのあるロックを披露している。Loserから変わらぬオルタナ精神ここにあり。

「65」
DE DE MOUSE - 'Nulife'

オリジナルなサウンドと世界観でその地位を確立するDE DE MOUSEが送るニューアルバムより表題曲を選出。軽やかで哀愁を感じるボーカルのカットアップとピアノリフが駆け抜けるフレンチチューン。インディーロックの質感も感じさせ、2000年代エレクトロ、インディーロックシーンが生んだ普遍的で上質なサウンドを受け継ぎながら刷新を行った出来栄え。

「64」
TWICE - 'Fake & True'

K-POPのトラックが非常に洗練されているのは周知の事実だがこのトラックは非常にフロアライクな仕上がりになっている。フューチャーベースやフューチャーファンク以降に頻出するシンセブラスによるフックのあるイントロ。ブレイクビーツによるドラムフィルとクラブ直系のガラージビート、下支えのドライブしたベースはレイドバックしながらグルーヴを生み出している。クラブミュージックがポップスに親しんだ昨今でも群を抜いた出来栄え。

「63」
Big Gigantic - 'Friends (feat. Ashe)'

昨今ブラスセクションが際立った確実にひとつのシーンを形成し始めているがBig Giganticもそのひとり。足腰がしっかりしたダウンビート、ひときわ祝祭感があるメロディラインはクローズしていくパーティーに最適。またボーカル、リリックともにエモーショナルな仕上がりでパーティーにおいて音楽を分かち合う喜びを伝えてくれる。

「62」
Serph - 'Baby Dub'

非常にメルヘンなエレクトロニックトラックを送り出すアーティストSerph。北欧を想起させるようなメロディラインとインストゥルメンタル構成、叙情的なコーラストラックに疾走感のあるビートとグリッチ。様々な音楽性が日本的なフィルターを通した形で結実したIDM。

「61」
Lxury - 'Joy TV'

A Trakが主宰するFool's Goldよりリリースされたエモーショナルなハウストラック。跳ねるビートに乗せて、透明感のあるシンセフレーズがグルグルと旋回していく。陶酔感のあるフレーズをパートの抜き差しで展開していくスタイルは各パートの強度がしっかりしているからこそ出来る技に他ならない。

「60」
Four Tet - 'Anna Painting'

天才Four Tetが画家のAnna Liber Lewisの 2019年初頭にロンドンのエレファント・ウェスト・ギャラリーで開催された「Muscle Memory」と名付けられた彼女の展覧会のために製作した3曲をまとめたEPの中より表題曲。Four Tetらしいエキゾチックな旋律と多くのサンプルを駆使した緻密なビートで組み上がっており、ダンスグルーヴの中にしっかりアート性が同居している。

「59」
Skream - 'Song for Olivia'

今やハウス、テクノシーンの重要人物となったSkreamが放ったシングル。80sニューウェーブなビートの上に陶酔感のあるシンセフレーズが反復し、広がりのあるシンセストリングス重なっていく。ダークなダブステップシーンの立役者として現れたSkreamだが路線変更以降のトラックからトランスやニューウェーブ、ディスコに相当に親しんでいたのが伺える。

「58」
Barbatuques - 'Baiana (Pablo Fierro Edit)'

David Guettaもプレイし、2019年のイビザを中心として世界中でプレイされたであろうヒットトラック。ブラジルのボディパーカッション・パフォーマンス集団Barbatuquesの代表曲を洗練されたハウストラックに調理。本能的なグルーヴをそのままに機能的にまとめあがっており、時代を問わずプレイされそうである。

「57」
Claudio Coccoluto - 'The Horse Running'

今尚、精力的にリリースするClaudio Coccolutoから2曲目の選出。ドライブするベースラインとパーカシッブなビートが絡む4つ打ち。特撮映画で使われるような印象的なブラスサンプルを用いたフィルパートによって独特の存在感を放っている。レイヴ的な局面でもフロアを盛り上げてくれそうな1曲。

「56」
Marie Davidson - 'Work It (Soulwax Remix)'

2018年のアンセムをリミキサーとして圧倒的な支持を受けるSoulwaxがリミックス。ゲットーハウス譲りのフックの効いたボーカルをそのままに、アシッド成分たっぷりのベースラインとフーバーシンセを流し込みよりアグレッシブな仕上がりに。さすがはSoulwax。ストイックな4つ打ちが抜群にロッキンな形に生まれ変わっている。

「55」
Amps - 'Funky Pill'

手前味噌ながらAmps自身がリリースしたEPより1曲。Addison Groove直系の変形ダブステップビートに現行シーンのレイヴリバイバルを意識したシンセを取り込んだ。

「54」
Fellsius - 'Deller'

我らがTREKKIE TRAXのFellsiusがリリースしたニューEPから選出。抜群の音圧と作り込まれたハードサウンド。ハードウェアを存分に活かした豊かな厚みとノイズのさじ加減、レイヴ調なシンセとボーカルサンプルの捌き具合はEDM以降のビックルームな4つ打ちのモデルになるような仕上がり。

「53」
Mele - 'Monopoly'

現代的なトライバルトラックの名手Meleから1曲。この曲自体はトライバル要素は控え気味ではあるがクールでテックなアシッドスタイルを提示している。一聴すると控えめな感があるがフロアでの機能性は抜群で現行のハウス、テクノ、レイヴといった要素が混じり合う4つ打ちシーンで頼れる存在になってくれる。

「52」
TREKKIE TRAX CREW & なかむらみなみ - 'Reiwa (令和)'

2019年の日本において「令和」というワードは絶対に欠かせない。そんな中でTREKKIE TRAXにとってはCarpainter - 'PAM!!! (feat. Onjuicy)'に続くアンセムトラックが誕生。ラッパー「なかむらみなみ」をフィーチャーしたこの楽曲は彼女の攻撃的なフロウとベースミュージック以降のトライバルで跳ねのある4つ打ちでフロアを熱狂させた。

「51」
Monkey Marc & Pinch - 'King Street (feat. Ninja Man, Riko Dan, Killa P, Soom T, Rider Shafique & Irah)

Monkey MarcとPinchが送る超豪華ダンスホールがこちら。名だたるMCオールスターズによるマイクリレーが休む間もなく繰り広げられる。ジャングルリバイバルが巻き起こり、レゲエ全般のサウンドが各シーンで盛り上がっている機運を感じる中でこれだけのMCが揃ったビックチューンは自然と気持ちがアガってしまう。

「50」
John Holt - 'Police in Helicopter (Benny L Remix)'

レゲエクラシックをGoldieも絶賛するドラムンベースの若き新星Benny Lがリミックスしたビックチューン。原曲の持ち味をウワモノでしっかりと活かしながら超低周波でワブルする極太ベースラインと抜けの良いビートが駆け抜けていく。Benny Lのワークは随所に入る吠えあがるような圧倒的なベーストーンも特徴。今後のドラムベースのヒットメーカーとして更なる活躍に期待が高まる。

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