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Best Tracks of 2019 <49-25>

Best Tracks of 2019 <100-75>
Best Tracks of 2019 <74-50>

「49」
MINMI - 'Shiki No Uta (Tribute to Samurai Champloo)'

Samurai Champlooのエンディングテーマとして作成されたMINMIとNujabesによる名曲「四季ノ唄」がプロデューサーにPART2STYLEを迎え、英歌詞バージョンも加えて2019年再発。オリジナルはジャジーで軽快なビートが特徴のトラックであったが本作はダンスホールビートとなっている。昨今のダンスホールブームを考えると親和性の高いバージョンとしてフレッシュにリスニングできる。それにしても良い歌。

「48」
平井大 - 'Beautiful Journey'

サーフ系シンガーソングライター平井大のニューアルバムの冒頭を飾る本作。アンビエンスな波音から始まりディスコビートとヴォコーダーを使用したアーバンポップなサーフロックに仕上がっている。涼しげなサウンドの中に織り込まれたインストゥルメンタルの聴かせどころなどAOR的なアプローチも伺え、アルバム中でもひときわポップかつ洗練された楽曲として仕上がっている。

「47」
iri - 'SUMMER END'

歌唱力抜群の女性シンガーiriがプロデュースにTAARを迎えリリースとなったシングル。ボーカルの魅力もさることながらボーカルの力強さに負けず、支えつつもしっかり聴かせているトラックにも注目。とくに絶妙にレイドバックしながらヨレるビートがボーカルの艶やかさとしなやかさを更に引き立てている。

「46」
LIL NAS X -  'Old Town Road (Remix) [feat. Billy Ray Cyrus, Young Thug & Mason Ramsey]'

Billboard Hot 100 で 17週に渡って連続で 1位を獲得し、史上最長期間 1位に君臨し続けた曲となったOld Town Road。オリジナルは2018年12月3日にインディーズとしてリリースされたがリリース直後は鳴かず飛ばずの結果。しかし年が明け 4月13日には最初の NO.1 に輝きそのまま最長記録を樹立。構成はあまり変わっていないが名だたるラッパーを迎えた本リミックスを含め、今年を象徴する楽曲であることは間違いない。

「45」
LSD - 'No New Friends (feat. Sia, Diplo & Labrinth)

LabrinthとSia、そしてDiploというスーパーメンバーで構成されるプロジェクトLSD。イニシャルを並べたらなんともな名前になったが、名前が示す通りのサイケデリックでカラフルなエレクトロニックポップを展開している。アルバム通してオペラロックならぬオペラエレクトロニックミュージックという様相を呈している。音楽性の複雑さと高さに圧倒されるが選出したこの曲はアルバム中でもポップな仕上がりで祝祭感もあり記憶に残っていく出来栄え。

「44」
Avicii - 'Freak (feat. Bon)

昨年、悲劇の死を遂げたEDM界のレジェンドAvicii。彼の死後に彼のハードディスクに眠るプロジェクトデータと遺言とも言えるテキストデータを元に作成されたアルバムTIM。Michael Jacksonの死後も似た形でアルバムがリリースされたのを思い出させる。内容とすれば非常に上質なEDMであり、ポップスがパッケージされている。中でも本曲は坂本九の「上を向いて歩こう」の口笛パートを大胆にサンプリングしており日本人にとっては非常に感慨深い楽曲となっている。

「43」
Burial - 'CLAUSTRO'

ダブステップシーン孤高の天才Burialが放った本シングルはいつになく明瞭でポップなダンストラックとなっている。いつも通りに朧げなボーカルが交錯し、ノイズが散らばってはいるものの、しっかりとしたベースラインシーケンスを軸に彼なりの解釈が加わったダークガラージといった作風になっている。Fabric Mixの最終章をKode 9と共同制作したり定期的なEPリリースが続くなど活動が精力的になってきている中で3枚目のオリジナルアルバムがリリースされることを期待したい。

「42」
Locked Groove - 'Out of Orbit (Lawrence Hart x Scuba Broken Beats Mix)

Locked Grooveが手がけたヒットトラックに絶好調のScubaの手が加わったリミックス。ハウスバージョンもあるが明らかに勢いに乗ってきているブレイクビーツサウンドを取り入れたこちらのバージョンが2019といった感じだろう。トランシーなシンセリフにシャープで抜けの良いブレイクビーツがフィットする。非常に洗練されたブレイクビーツテクノといった印象で様々なシーンで機能する。

「41」
Jamie Jones & Darius Syrossian - 'Rushing'

テクノシーンのトップアーティストのひとりJamie Jonesによるファンキーなハウストラック。軽快なハンドクラップと並走してハウスクラシックばりのソウルフルなボーカルサンプルが印象的。トライバルな風合いも感じられグルーヴの旨味がふんだんに詰まったトラックはダンスフロアをリードしてくれるはず。

「40」
Amps - 'Ain't No Stoppin'

手前味噌第2弾。エレクトロビートを基調としながらドラムンベース的なサウンドやベースミュージック以降のアタック感を盛り込んだ。ドロップ後に展開される間断なく上昇するイメージを感じさせるシンセでグルーヴにアクセントと加えている。

「39」
JP THE WAVY & RIRI - 'Dilemma'

R&BクラシックNellyのDilemmaを圧倒的歌唱力を持つ群馬発のデーヴァRIRIがJP THE WAVYとカバー。今年はサマソニにも出演し、実力に見合った知名度を着実につけているRIRI。RIRIらしい伸びやかなボーカルとアドリブでカバーでありつつも彼女らしさを存分に発揮している。そして何よりトラックがトラップ調にアレンジされておりただのR&Bカバーに留まらず非常に新鮮な聞き心地となっている。

「38」
Zed Bias & Metrodome - 'Dem Dem (feat. Killa P, Chunky, Trigga & Slay)'

Zed BiasとPART2STYLEが主宰するMas Styleより160ビートに乗せたグライムトラックが満を持して登場。昨今もっぱら160スタイルに勤しんでいるZed Biasが作り上げた疾走感抜群のトラックに乗せてUKの大物MCが熱いマイクリレーを繰り広げている。フットワークジャングルをはじめ高速ビートが確実に浸透してきた日本においてもアンセムになり得るトラック。

「37」
Sam Binga & Onhell - 'A Mighty Quest'

11月にジャパンツアーを成功させたことが記憶に新しいSam Bingaのリリースよりこちらをチョイス。非常に多彩なリリースを行なっている彼だがどれも特徴的なブレイクスやリズムワークが印象深い。このトラックはその中でも珍しい高速4つ打ちスタイルでゲットーテック直系のキックとタムの応酬、そこに加わる合いの手のようなカットされたボイスとうねるベースラインによって軽快なグルーヴが渦巻いている。

「36」
Weezer - 'Africa'

歴史に残る名曲TOTOのAfricaをエモロックの代表格Weezerがカバー。サマソニにて生演奏を体感したという補正もあるもののやはり名曲であることは間違いない。原曲よりもギターなどのエッジが立っており、攻撃的にはなっているもののこれはこれで現代版という仕上がりになっている。

「35」
Sigma & Jack Savoretti - 'You And Me As One'

ロッキンで叙情的なドラムンベースを手がけさせれば右に出るものはいないSigmaによるニュートラック。サウンド構成で言えばいたって普通だが圧倒的なソングライティング力で耳に残る楽曲に仕上げている。アコースティックバージョンも併せてリリースしていることがまさに音楽性の高さを物語っている。

「34」
Official髭男dism - '最後の恋煩い'

今年の日本における音楽チャートを米津玄師と共に総なめしたOfficial髭男dism。アルバム全体が捨て曲なしといったところだが個人的な好みを含めてこちらを選出。ご機嫌なディスコファンクといった曲調だが、ブレイクでのジャジーな展開や随所で見せる各インストによる刻み込むような手数の多さで飽きさせない構成となっている。普通のバンドであれば一定の曲調でずっと進んでいくと思う。やはりメンバーそれぞれがマルチプレイヤーであり様々なジャンルのバックボーンをしっかりと持っていることがこういったところで現れているのだろう。

「33」
Kygo & Whitney Houston - 'Higher Love'

1990年にWhitney Houstonがジャパンツアーで披露した未発表曲(厳密にいうとサードアルバムの日本版にボーナストラックとして収録)がKygoの手によってアップデートされている。原曲は当時の先端であるニュージャックスイングスタイルでそれはそれで名曲だがKygoバージョンは現代ポップシーンの最高水準といった出来栄え。

「32」
パソコン音楽クラブ - 'Time to renew (feat. イノウエワラビ)'

セカンドアルバムをリリースしたパソコン音楽クラブからはこちら。年代物のハードウェアを徹底的に使い倒しポップシーンに殴り込む彼ら。音色的な懐かしさと日本的なメロディラインも合間って非常に耳に残る楽曲になっている。またメロディラインにハマる作詞力。ふと口ずさんでしまう楽曲が彼らの魅力的なところ。

「31」
Kindness - 'Something Like A War (feat. Bahamadia)'

アルバムとしても非常に素晴らしい仕上がりだったKindness。アルバムの表題曲であるこちらはシンプルなソウルトラックといったところだがBahamadiaのモノトーンで妖艶なラップなインパクトを与えている。前半で唐突にリズムを変えて3連フロウで攻め立てるポイントも印象的。シンプルでクールでありながら楽曲強度は凄まじい。

「30」
YOSA & TAAR - 'Perfect Fire (feat. Taro from Attractions)'

現在のシーンを代表する様々なボーカリストを迎えて満を持してリリースされたYOSA & TAARの1stアルバム。ポップでありながらディスコをはじめとするアンダーグラウンドなサウンドとエネルギー見事に伝えている。ボーカルとともに上昇していくアシッドサウンドでタイトルのごとくテンションを燃え上げてくれる。

「29」
The Chainsmokers - 'Do You Mean (feat. Ty Dollars $ign & bulow)'

今年のサマーソニックにてヘッドライナーを務めたEDM以降のポップスの象徴ともいえるThe Chainsmokers。多彩なビートやサウンドを自在に操りながらポップにまとめあげているが、やはり何と言っても叙情的なメロディとボーカルがキャラクターになっている。リリックも愛や現実を歌ったものが多く、沁み入るエレクトロニックポップの代表格として今後もヒットを量産していくはず。

「28」
KH - 'Only Human'

天才Four Tetの変名KHによる今年のビックヒット。Nelly Furtadoによる2006年のトラック"Afraid"のサビを大胆にサンプリングし執拗にループさせることでメインテーマを構成している。「あなたは他人に何て言われるかひどく恐れている。
それはそれでいいのよ。だって私たちただの人間だもの。」SNSが完全に浸透した現代社会における人間心理に突き刺さるフレーズを切り取りダンスビートに乗せて叩きつけてくるFour Tetはやはり凄まじいアーティスト。

「27」
DJ Die & Pinch - 'Jungle Reflection'

DJ Dieが主宰するGutterfunkが放ったコンピレーション'All Subject to Vibes'に収録されているブリストルのビックボス2人による楽曲。跳ねるようなビートにダビーなウワモノが縦横無尽に駆け巡る。途中でビートがハーフに切り替わるなど流石のリズムワークと手数の多さを披露しながらグルーヴを高めていく。BPMは決して早くないがドラムンベースやダブステップの黎明期の質感を見事に落とし込んでいる。

「26」
Peggy Gou - 'Starry Night'

韓国が生んだスーパーヒロインPeggy Gouが昨年に引き続き今年もアンセムをリリース。彼女自身の印象的なハングル語ボーカルを乗せてディスコビートが進行していく。ビルドアップからのハウスマナーなピアノリフがフロアに直撃するアンセムとなっている。非常にソフトな作りでありながらフロアバンガーという稀有な楽曲。あらゆるクラブでプレイされたはず。

「25」
Qwestlife - Hit It Off (feat. Teni Tinks)

絶好調のディスコレーベルGulliterboxからストリングスが印象的なディスコトラック。レトロで叙情的な雰囲気でゆったり漂うストリングスは絶妙さ甘さで、そこに絡むブラスセクションとTeni Tinksのボーカルが気持ちを一気に高めてくれる。決して新しい作りではないがディスコはクラブがある限り死ぬことはないなと改めて感じさせてくれる。

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