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パレスチナに目を向けて

文:ムハンマド(エジプト出身)

日本ではデモや抗議活動の意義について疑問視する声があるそうですが、私はそうではないと断言できます。

少し私の経験をお話しします。
私はエジプト出身で、アラブの春とその後に起こったクーデターを経験しました。

ラバア(カイロ)の座り込みの様子

当時のエジプトは、クーデターに反対するためにたくさんの若者が抗議活動をしていて、それこそ石で戦車に対抗したりしていました。

クーデターの後は市民への攻撃が激化し、座り込みをするだけで警察に連れて行かれ、ある時は軍の戦車で攻撃され、まさに命懸けで抗議活動をしていましたが、その中で多くの友人を失いました。

座り込みの人々を攻撃する様子

そんなつらい毎日の中、エジプト市民を守るためのデモを行ってくれた国がありました。
そして、遠く離れた日本からも、心配してくれる人がいて、励ましてくれたことや一緒に怒って悲しんでくれたことが、私の心の支えになりました。

その支えは、国の体制を変えたり、死んだ友人を蘇らせたりできるものではありません。それでも、その日を頑張る支えになりました。

今のパレスチナにも同じことが言えます。

もちろん、パレスチナと当時のエジプトとは状況や背景が全く異なります。

ただ、私が言いたかったのは、つらい、耐え難い状況にあっても自分たちを見てくれる人がいることや応援してくれる声が心の支えになるのだと言うことです。

パレスチナを支えるデモや抗議活動をしても、何も変わらないかもしれない。どんなに頑張っても停戦すら実現しないことに無力感を覚えるかもしれない。

でも、パレスチナから遠く離れた日本からもパレスチナを支えている人がいること、パレスチナに心を寄せている人がいるということを知っただけで、今苦しんでいるパレスチナの人々の救われるはずです。

どうか皆さん、パレスチナに目を向けてください。

日本からも世界中からも、パレスチナを支えていると声をあげてください。

それだけで、救われる人が必ずいます。

私はパレスチナ解放の日まで、あきらめません。


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