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批判に晒された静岡県 水枯れの過去

リニア新幹線工事で岐阜県内の被害が報道されました。
JR東海によると、瑞浪市大湫(おおくて)町で今年2月、
同社が設置した観測用の井戸で水位低下が確認されたようです。
約40世帯に水を供給している共同水源3か所、個人宅の井戸9か所、
ため池2か所の計14か所で水位が低下し、一部では水が枯れて
しまったところもあるということです。

これまで、散々批判を浴びてきた元静岡県知事の川勝平太氏ですが、
水が出なくなってしまうと、県民の生活や農業にも影響しますから、
川勝氏はこれを危惧していたのかもしれません。

全国から批判されていた静岡県にも、トンネル工事による水枯れの
被害を経験した過去がありますので紹介します。
(静岡新聞の抜粋記事より)


①100年前の東海道線丹那トンネル工事に伴う水枯れ

函南町誌や鉄道省(運輸省、国土交通省の前身)の資料によると、
トンネル真上の丹那(たんな)盆地は、ワサビを栽培できるほど
水が豊富だったが、工事の進行とともに地下水脈が変化し、
盆地内に水枯れが広がった。

飲料水に支障が生じるほどで、住民は鉄道省にたびたび救済を訴えたが、
同省は当初、関東大震災の地下変動や降雨量減少のせいだとして
本格調査に応じなかった。
ワサビ農家の大半が廃業せざるを得なくなり、約10年で多額の補償を
得たが、配分を巡って集落間で対立し、住民の襲撃事件にも発展した。


②20年前の新東名高速道粟ケ岳トンネル工事に伴う水枯れ

新東名高速道建設中の1999年、掛川市の粟ケ岳(あわがたけ)
トンネル工事中に出水が発生した。
間もなく周辺の倉真地区で農業用水を採る沢が枯れ、東山地区では
地下水を水源とする簡易水道が断水した。

「切れたことのない沢が突然、2キロくらいの範囲で干上がった」
「驚いたし、困ったよ」

粟ケ岳北麓で沢の水を使って茶園を営んでいた60代の男性は、
当時のショックを振り返る。
着工前、日本道路公団(現中日本高速道路)の説明会が開かれたが、
「水枯れの話はなかった」
と男性。
断水後、地区の要望を受けた公団は、トンネル内の止水工事に加えて
別の川から茶園へ約2キロの引水管路と中継ポンプを設ける
補償的措置で応じた。

ただ、完成した管路は水が出ず、男性は不具合を訴えたが
結局1度も使えなかったという。
止水の効果も限定的で、男性は水を確保する負担と茶価安から生産を断念。金銭補償を求めて5年ほどたった昨年、中日本高速道路と
ようやく補償が成立した。





山にトンネルを掘ると、高い圧力で封じ込められていた地下水が
噴き出す現象は、これまで各地で何度も起こっていました。
トンネル工事を行うと、取り返しのつかない環境破壊が引き起こされて
しまいますが、昔は経済が優先されていたので、住民が我慢するしか
ありませんでした。

個人井戸が枯れたということは、その井戸を使っていた家庭は
水道代の負担が増えるのかもしれません。
リニア新幹線沿線の各県知事で構成される期成同盟会は、
このニュースを見ないふりニャのかい? ฅ(°͈ꈊ°͈ฅ)ニャー

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