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都市計画のnoteが欲しかった

 


モチベーション

 都市計画そのものや、それにまつわる議題に関して、何かしらのプラットフォームにまとめるべく、このnoteを始めました。申し遅れましたが、大学で都市計画なるものを学んでいる者です。都市計画マニアではなく大学入学前までは都市計画法やマスタープランすら知らなかった完全初学者なのですが、元々都市開発に関心があって、今の学科を選びました。一般化できるか知りませんが、学科の雰囲気は良く、他人がどう思っているか知りませんが、授業は聞いているだけでも楽しいです。ですが正直言って自分としては時にはよくわからない怒りを覚え、今は困惑しています。というのも、学科は都市計画を何だと思っているのかよくわからないからです。例を挙げましょう。授業である地域の住宅を開発する課題を与えられました。そこで、自分を含む学生たちは様々な提案をして、魅力的で暮らしたくなる地区を提案しました(全員が相応の手間をかけ、どうしたら良い提案ができるのか議論していました)。ですが、その成果を批判的な視点で分析し直すと、(自然的・制度的・社会的な)現実性を度外視した提案がほとんどなのです(自分の班もそうです)。教授陣からこんなもの受け入れられないと言う自分が学科に入ってから何度か言われたストレートな批判が出たものもありましたが、それとは違った観点から論じています。とにかく夢のまた夢を語っているような感じがするのです。もちろん教員側には教える側としての意図があると思います。しかし今の無知に限りなく近い状況で以上のような現状に対する怒りと低俗な文句を言う前に、自分で改めて都市計画について主体的に学習し、その上で色々と議論ができるのでは?と思ったので本日からnoteに都市計画について自学したことを記すと決めました。基本は自分が学習するべきことをまとめるつもりですが(つまり自分の思考を整理するため)、同じく都市計画を勉強していたり、都市計画に関心があるものの都市計画の制度が複雑すぎて何だか分からない!!!😤という方がいれば是非このnoteを見守っていただけると嬉しいです。

都市計画とは?

今回は初回なので、手短に。noteを見渡すと、他の方々もこの話題について言及されていましたが、改めてここで自分なりに議論したいと思っています。そもそも都市とは何でしょうか?恥ずかしながら私はこの問いに対して真剣に考えたことがありません。アーバニズムとかが題名に入った本をまともに読んだこともない立場なのですが、ここではあえてそうした知識がない状況のもと、自分の今までの経験から考えたいと思ってます。

「都市」というとまずビルが林立していて、人が多いというイメージがあります。日本で言うと渋谷・新宿という感覚でしょうか。ただ、都市を決定づける要因は別のところにあると思います。(それは自分ではなく学科の同期が言っていたことなのですが)匿名性です。なるほど、と思いました。街をすれ違う人の名前は知らないし、外見以外の特徴を知ることはあり得ない。これは「都市」の対義語としてよく使われる「村落」の真逆です。誰もが顔見知りな存在なのです。よく言えば守られていて、安心感がある、誰かしらがあなたのことを気に掛けてくれる。悪事も簡単にはできないはず。逆に言えば常に監視されている。そして仲間外れにされるとおしまい。そうした心苦しさを解消するのが匿名性です。ある意味都市の恩恵でしょう。ですが匿名性だけでは都市生活は無味乾燥で寂しいものだと個人的には思います。周りの人は冷たく見え、有名人でもなければ赤の他人に対しては大抵無関心です。多くの人は、匿名性を満喫すると同時に、職場なり家庭なり大学ならサークルなりと、ある種のグループ、すなわち人とのつながりを感じる場にも属しています。「所属」という行為によって都市では二重の価値が味わえるのです。もちろん都市問題という言葉があるように、都市は利点もあれば相応の欠点もあると思います。その中でも「孤独」は都市の匿名性ゆえの弊害でしょう。だから都市では誰もが居場所を求めるのではないでしょうか。

そして現代都市の特徴として、様々な人の共存が挙げられます(もちろん地域差はあります)。人種・性別・所得・思想・経歴・体格・言語など様々のニュアンスもまた様々です。そのような複雑な構造をした都市は多様なニーズが本来は求められるものです。

となると、都市計画というのは、その多様な個人の集合体のニーズを満たすべく、都市を0から創る、あるいは既成の都市をアレンジしていくことでしょうか。残念ながら、これは聞こえのいい綺麗事に感じます。なぜなら、立場の大きく異なる人々全てが満足する都市づくりは不可能に近いことだと思うからです。一例として、社会インフラの観点から都市を維持することを考えると、ゴミの焼却施設や刑務所など、いわゆる「迷惑施設」をどこかしらに置く必要があります。それはどこに置くべきなのでしょうか?その施設の近くはどのような空間になるのでしょうか?実際の多くの都市では、こうした施設を建てる場合を含め、都市計画の業務において何かしらの「選択」をして、都市構造を決定していると思われます。個人的には、都市計画は暗い側面も持っているということを意識する必要があると思ってます。特に「都市デザイン」という言葉を耳にするとき、その話者は商業施設や文化施設など、明るい側面をイメージしていることが多いでしょう。ですが、都市計画に携わる人々はその悪い側面についても考えることからは逃れられないと感じます。今の自分の中では、都市計画とは、実現可能な目的に対して、最適解としての都市空間を築くことなのかと考えています。

意外と長くなりました。今回はこんなところで。次からは予告通り日本の都市計画制度について少しずつ紹介します。



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