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1度見切りを付けた理由

T 君と出会って25年...
2人は元々遠距離だったから、最初の熱が冷めた頃からは、連絡の度合いも段々と減って行った。

T 君は、色々な事に凝る人で、器用な人だ。
特に学歴が凄いとか、勤務先がエリートだとか
そういう事でもないが、頭の回転が早い。
そして良く気が利いて、私より先に行動してくれる。

知り合ってすぐの時に、例えば、セルフカフェに行った時。席を取り、ペーパーを持って来てくれたり、、、飲み終わって席を立つ時も、私より先に立ち、私のトレーや空のカップ等をサッと片付けてくれる。

そもそも私はせっかちだ。
誰かと一緒だと、だいたいが私の方が行動が早いので、いつもしてあげる方だ。
女友達なら尚更の事、のんびりな人のテンポに合わせられず、いつも私は先に済ませて待つ側だ。

だから、自然の流れで、気がつくと、私の事もやってくれているT といると、とても気分が良かった。
多分、お姫様気分?みたいな?

知り合って高熱が出て、それが少し低くなり段々と会う機会が少なくなった頃、Tが関東に転勤になって、中間地点の新宿で久しぶりに会った。

その時、確か私は42〜3才。
T は、35才位。

40才を超えた私は、7才下のTからみたら
おばさんだろうナ。とか、
2年位会ってなかったし、もうそんな感情も湧かないんじゃないか。と、思ったりしていた。

当日は居酒屋で飲んで食べた後、私はカジュアルなお店にでも行きたいなあ。と、思いながら2人で歩いていた時

T は、

" リコちゃんと、イチャイチャしたいな〜"
と言った。

私はビックリした。こんな私を女としてまだ見てくれるんだ。。と。


" えー? もう私、40越えのおばさんだよー。
 今日は、そんなつもり全然無いよ、、"

T
" 今、目の前にいるリコちゃんは、全然変わって無いし、抱きたいと普通に思うよ..."

と、、。
女冥利に尽きる嬉しい事を言ってくれるT。

今、考えても、Tは、私の自己肯定感を確立してくれた人のひとりだと思う。

しかし、この時は、なんとなく私は、T と
そう言う気分にはならず、カジュアルバーで色々話して
飲んで別れた。

それからまた2年後くらいだろうか。

私は、夫の病気によりとても不安な日々を過ごしていた。

実はTも私も既婚者だ。。

私は親の色々で故郷に帰省し、その帰り、自宅に帰りたくなくて T に予め連絡していた。
羽田に到着し、もう1泊、Tの所に泊まることにした。
夫には、ずっと故郷にいることにした。

その時の私は、精神的に不安定になっていたのだろう、誰かにギュッと抱きしめて欲しかった。

大丈夫だよ。
いい子いい子。

そう言って一晩中抱きしめていて欲しかった。

T は、仕事も、趣味も、楽しむ人で、いつも忙しい。
翌日は仕事の日だったから、駅に迎えに来てくれて、スーツケースをゴロゴロさせてる私を
とりあえず夕食、、にと連れて行ってくれたが。

そこは大衆酒場のような雰囲気で、サラリーマンしかいないような飲み屋だった。

久しぶりに会ってるのに、ゆっくり話しも出来ず、
そしてその後はT のマンションに行き
SEXをした。

その後、Tはベッドで寝て、私は私のために敷いてくれた布団で寝た。

寂しかった。
ギュッとして欲しかった。
性欲じゃないんだよね。

私は我慢出来ずT のベッドに潜り込んで朝まで過ごした。

起床は早いので、Tは、フルーツジュースか何かを飲みながら、PCで仕事をしながら、私に優しく近況を話してくれた。Tは、良く喋る。

ゆっくりして行きナ。
カギはポストに入れておいてね。


T は出勤して行った。

この時、私は、
Tは、心の拠り所になる人じゃない。
もう、この人に頼るのはやめよう。
そんなふうに自分で自分の気持ちに見切りを付けていた。

それから、多分10年位は、 今◯◯に転勤になった。と、時々連絡が来たが、そうなんだー と
返すだけで、ラリーにはならなかった。

連絡は電話かメールだった。

それからSNSが発達してLINEが出来るようになって、LINEは繋がったが、その頃、私には
違う人がいた。

夫は病気で仕事も上手く行かなくなり、収入も減り、その分、私が頑張って働いていた。
私の収入は段々とアップして行った。
息子の学費もあるし、、、
とにかく、主婦の仕事、会社の仕事、夫の不安定な病状による入退院の対処。  

私は
いっぱいいっぱいだった。
その状況から逃げたかった。。

T  の事は、忘れていた。見切りを付けたから。
終わっていた。

そして、そんな時に
"りこちゃんの支えになるよ"
と言ってくれる人が現れた。。

次回へ続く....

ここではこの人については、あまり語りたくは
無いけれど、その後から今に続くリコリスの心の変化の物語りには
やはり欠かせない部分もあるので、次回は
その "支えてくれる人" の事を書こうと思う。

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