【連載小説】絵具の匂い 【第9話】砂漠の向こうに母をたずねて一千里
絵具の匂い 【第9話】砂漠の向こうに母をたずねて一千里
小さいながらも車のある生活は思った以上に快適だった。トラムに乗って行っていた週末の市場への買い出しにも車で行けるようになったのだ。遠い昔、プラムが主食だった頃に比べるとなんという出世だろうか。アレはもしかしたら悪い夢だったのかもしれない。
セシリアのデカいキャンバスやイーゼルを学校まで運んでやることもできるようになったし、必要に応じて空港や仕事先にも車で行き来できるようになったので一気に生活の効率が良くなった。
禁断