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110フィルムカメラ クロス現像について考える

 110フィルムカメラの撮影を始めて一年経とうとしている。以前母が愛用していたAGFAMATIC4000、今のデジカメ・スマホのカメラのように高画質・AF機能や手ぶれ補正機能に慣れすぎたせいか「画質が荒い」「ピントが合っていない」「しっかりカメラを手に持たないと簡単にブレブレな写りになる」「撮影する側(人物)も微動すれば同様にブレてしまう」など撮影の失敗を重ね、改めて110フィルムカメラの撮影の難しさを痛感している。
 だが画質の荒さはデジカメでは味わえない昔の郷愁を思い出させ、撮影する・される人物がお互い真剣勝負で撮影に挑む緊張感を産み出し、プリントして巧く撮影できたと分かった瞬間の喜びはデジカメではなかなか味わえないことを改めて実感させてくれる。
 先日、千葉にあるフィルムカメラを取扱う某有名店に110フィルムの使用期限切れが格安で売られており「これは!買うしかない!」と何本も購入し撮影。その後フィルムの現像・プリントをKカメラに依頼したが…思わぬ問題が発生した。それはKカメラ曰く以下の解答であった。

 このフィルムはクロス現像用です。委託先2件(FフィルムとKダック)から現像を断られました‥ そのうち1件は『リバーサル現像なら受けますが、プリント1枚1,200円です』とのことですがそれで現像しますか?

 申し訳ないが、フィルムカメラ好きになったもののカメラの難しい用語や知識が無いため「クロス現像用フィルム」を知らなかった‥簡単に説明すると現像液の違いにより強調したい色をより強く発色させ現像されるフィルムだそうで‥Kカメラの指摘が無ければ知らなかった。因みに私が現像を依頼した110フィルムはLomographyのX-PRO200で黄色・緑が強調されるフィルムらしい。
 プリント1枚1200円‥流石に断ることにした。それでは新たな現像先を探さねばとネットで調べると神奈川県にあるチャンプカメラならフィルムを店に送れば即日現像し発送可能と知り、即依頼。
 プリントされた写真を見ると…確かに発色が違う。

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 これは天皇陛下即位記念のパレード前の皇居の写真。フィルムが期限切れということもあり画質は荒いが木々の緑が強調され、空は青いものの黄色の発色が強いせいか昼間撮影したのに西日が差しているようにも感じる

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 これは千葉駅近くにある千葉市民会館。昔からある施設だが、黄色の色合い・110フィルム特有の画質の荒さ・期限切れフィルムということもあり施設の年季がより一層深まっている。

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新春に海外から帰国していた同級生を歌舞伎座前に飾られた門松と並んで撮った写真。門松の緑色が映えているものの私の手振れにより撮影失敗…この写真を海外在住の同級生に見せるのも憚られるなこりゃ‥

 今回のクロス現像用フィルム撮影は大きな成功を収めることはできなかった。まあ今までそんなフィルムの存在さえ今まで知らなかった訳で偉そうなことは言えない立場ではあるが、110フィルムに限らず通常のフィルムカメラの撮影でもそのフィルムを使えばもっと面白い撮影ができるのでは‥と次の楽しみができた。

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