ADHDの取説②
前回アップしたADHDの取説①の記事がそこそこ反響があって気を良くしたので予定よりも早く②を書くことにしました。
私としては、ADHDに関する理解が広がってほしいという願いがあるので、その一助になればうれしいです。
一応、間違いがあってはいけないと思って、ウィキペディアの記事を読んでみたのですが、いまいち要領を得ない煩雑な記事で面白くもなんともなかったですね。
専門家もいまいちよくわかっていないらしいということ以外はほぼ内容は頭に入りませんでした。
あと、前回の記事で広汎性発達障害の一種と書きましたが、ADHDは広汎性発達障害に含まれないらしいです。
ごめんなさい。ウソついちゃいました。
個人的にこの種の分類などどうでもいいと思っているので、特に反省はしていません。(そのうちまた定義が変わりそうな予感がする)
それでは本題です。
1. 「障害」の定義
前回の記事でADHDを「障害」、ADHDの人を「障害者」と書きましたが、これには個人的なポリシーがあってのことです。
いわゆる発達障害を「障害」と捉えるか、「個性」と捉えるか、あるいは「病気」と捉えるか
これは人によって意見のわかれる部分です。
私としては、「病気」かどうかはわからないけど、「障害」であって「個性」でもあるよね、というスタンスです。
というか、「障害」って「個性」やん。
違うの?
なんか、「障害」「障害者」という言葉に物凄く抵抗感を持つ人が結構いますけど、個人的には物凄く嫌な感じです。
あえて最近流行りの「障碍」という字を使っていないのも私のこだわりです。
だって「害」と「碍」ってほぼ意味一緒やからね。
なんの意味があって使い分けているのか意味不明。
くっさー。
ちなみに、自分が価値を見いだせないものにボロカスに言うのはADHDの症状です。笑
話を戻しますが、ADHDの人もその周りの人も、「ADHD=障害」という認識を持つことが非常に大事だと思っています。
私は自分がADHDであることを確信したのは二十代後半になってからでした。
それまでは、「周りの人が当たり前のようにできていることを自分ができていない」ということは理解していたのですが
できないのは自分の意識や努力が足りないだけ
というふうに思っていました。
しかし、自分がADHDだと確信し、「自分にはできないことがある」と理解してからは、一気にQOLが改善しました。
具体的には、それまでは「どうやれば(手段が)できるようになるか」ということにこだわって時間や精神を浪費していたわけです。
「自分にはその手段ができない」なら、どうすれば目的を達成できるのか
あるいはどれを諦めて、どれを取るのかという風に集中できるようになりました。
できないことを「できない」として受け入れるのが障害を克服する第一歩なわけです。
極論を言ってしまえば「それはできなくていい」のです。
2. 「できる」と「できない」は表裏一体
私はすべての「できない」あるいは「不得意」というのは、「できる」「得意」に変換できると思っています。
な… 何を言っているのか わからねーと思うが. おれも 何を言っているのか わからなくなってきた…
というのは冗談で、要するに捉え方の問題ということです。
例えば、「人の話を集中して聞くことができない」
というのは、「人が話しているときに別のことを考えることができる」に変換できます。
ふざけてんのかと思われるかもしれませんが、これはリアルにメリットとして働きます。
私はこの年までの人生で数えきれないほど説教をされてきましたが
その半分以上は聞く価値のないものでした。
健常者だと、そういう無意味な説教も一応真剣に聞いたりしてムカムカしたりするんでしょうが
私は完全に右から左に受け流すことができるのでノーストレスです。
5秒後には何を言われたのか覚えていません(笑)
こういう風に、「できない」を見方を変えて「できる」に変換すると、できないことでストレスを感じることは劇的に減ります。
それに、こうやって自分のできることを探すことで、パフォーマンスが確実に向上します。
また、できないことを受け入れることで、それに対する対策を講じることもできるようになります。
できるように努力するのではなく、できないことを前提に「結果的に目的を達成する」対策を練る方が不確定要素が減るんですよね。
上段で「それはできなくていい」と書いたのはそういうことです。
人間社会にはいろいろな人がいて、それぞれに得意不得意があるわけなので、相互に協力し合えばいいだけです。
さらに、テクノロジーは日々進歩しているので、できないことはテクノロジーでカバーして、できることを伸ばした方が絶対に良いです。
3. ADHDにできること
以下にADHDが「できないこと」から考えて思いつく「できること」を羅列して今回のエントリを締めくくりましょう。
① 単純な作業を長時間継続することが苦手
→ 単純作業を減らす思考に移りやすい
② 興味がないことができない
→ 興味がないことに時間や意識をとられない
③ ケアレスミスが多い
→ 人の失敗にネチネチ言わない
④ 自分が不合理だと思うことが許容できない
→ 慣例にとらわれず合理的なアイデアを提案できる
⑤ 思い立ったら衝動的に行動してしまう
→ 躊躇して出遅れることが少ない
⑥ 空気を読もうとしない(実は読めないわけではない)
→ 本質をついて新しい思考の風を起こせる。
最後にもう一つ。
ADHDの特徴として「人間観察が得意」、「他人の社会性をあまり重視しない」という傾向があります。
自閉スペクトラム症などの社会性に難があるタイプの人との距離感の取り方が上手く、普通に付き合うことができます。
ADHDの人は他人の長所や才能をよく見ているので、アスペルガー(ASD)の人と相性が良かったりします。
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