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あの定食について考える2〜人気メニューの条件〜

こんにちは、あもむむ。です。
前回、
昨今の日本の食シーンにおいて、「黒酢あん定食」というメニューを本当によく目にするようになり、いつの間にか市民権を得たと言えるのではないか。
という考察を述べた。

今回は、
なぜ「黒酢あん定食」は、数々の定番定食メニューに消されてしまうことなく、「新しい定番メニュー」として広まる事ができたのか、
その人気となった要因を掘り下げて考えてみようと思う。


「黒酢あん定食」から「人気メニュー作り」のポイントを考える

なぜ「黒酢あん定食」はこれほどまでに「新定番メニュー」となり得たのだろうか。
ざっと考えついたのが以下だ。

①見た目的要素
・・・彩りが良い(野菜の色の華やかさ、大ぶりカットによるボリューム感で魅力的に感じる)

②栄養バランス的要素
・・・肉、魚だけでなく色々な野菜も摂れる

③オシャレ意識、健康意識を刺激するキーワード
・・・単なる「酢」ではなく「黒酢」を使用した甘酢あん

④馴染みがある、新しすぎない
・・・以前から日本人に馴染みある「酢豚」の感覚で頼みやすい(チャレンジしやすい)


飲食店作りにおいて、女性顧客からの支持を意識するのはテッパンである。

現に日本の消費財のほとんどが女性によって左右されているのに加え、
男性客が大体いつも同じ店に通いやすいのに比べて、女性客の方が店開拓をするのが好きな傾向にあるからである。

つまり、女性客、それも新規の女性客の獲得ができるメニュー開発が大事なのだ。

そう考えると、上記の①〜③は女性客へのアピールにも効果的であるといえよう。

そして、オリジナルメニューを作る場合、個人的に大切だと思うのがの要素である。

これはもはや男性客女性客問わずだが、「どんな感じかある程度は想像できる」という入口にすることだ。
初めての店で、お金を出してまでよく分からない料理はなかなか頼みづらいものだ。

そのため、「みんなが知っているアレ」に似ているっぽい、と感じてもらえると、安心して頼んでもらいやすくなる。

また、このメニューの絶妙なところが③と④のバランスである。

「安心感はある」が「少し変化があって」「少しオシャレな感じ」のメニュー、
ここのラインをうまく狙えたメニューは人気メニューとなり、生き残れるのではないだろうか。


日本人にとって、定食文化というのは長い時間かけて根付いてきたものであり、
生姜焼き定食、刺身定食、とんかつ定食、焼き魚定食・・・など和定食の定番メニューというものがある程度出来上がっている。

しかし、長年ド定番ラインナップだけだと、
ある意味で安定的、
一方で、どこかマンネリというか、
店側からすると新規客獲得に繋げるのがなかなか難しくなってしまう。

そんな中、風穴を開けてくれた存在が「黒酢あん定食」なのではないだろうか。

最近では「定食カフェ」なんていうのも増えてきているし、定食文化の今後に大いに期待だ。



・・・と、残しておいた最後の鶏肉を黒酢あんに絡めて頬張り、
すっかり暗くなった外を眺めながら、もう数時間後の夕飯に思いを馳せるのだった。

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