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考えることを放棄するとき、よそさまがはかってくれたものに黙って従う  ~機械的お弁当作りの巻~

お料理は、お味噌汁と卵焼き以外は、だいたいレシピを見て、分量どおりはかって作ります。これは、もちろん上手じゃないということがまずあるのだけれど、けっして神経質でも真面目なのでもなく、覚えるのが煩わしい上に、ちょいちょいいろんな加減を見るのがめんどくさいからです。人が量ってくれた分量、人が計ってくれた時間、人が考えてくれた火加減、そのまんま従うとラクラクなのです。
そりゃあその日の材料の水分量とか、素材そのもののお味とか、気温とかでいろいろ加減をしなくちゃならないのでしょうけれど、そもそもそこまで安定した腕前ではないので、最後にちょっと味見して調整した…ふり?くらいでいいのです。

思い起こすに一番これをやっていたのが、息子が生まれた時かもしれません。言われた通りの間隔で母乳をあげて、書かれた通りの温度のお風呂に書かれた時間内に入れ、雑誌で見た時間には寝かす。離乳食はこれまた本に書いてある5か月ぴったりから開始、いつまでは1日1回食、いつからは2回食…1日もずらすことなくぴったりスケジュール通り。まずひとさじから始めてだんだん増やす、と書かれていたら絶対にひとさじから。ご飯の重さも毎回はかりでピッタリ量っておりました…だって、考えたって正解なんて絶対にわからないんだから。

で、最近これの究極のやつが、朝のお弁当作りだなぁと思うのです。起きて2分以内には作り始めるので、頭は働いていなくて、機械人間のようにとにかく作業。

  1. まず浄水器が朝一なので、1分間水を流しっぱなす(頭の中で、1,2,3,と60まで数える)

  2. 数えながらご飯を105グラム量る(もともと150グラムだったのを、午後眠くなるから3割減らして、と言われた。)

  3. 浄水器の60秒を頭の中で数え終わったら、ミルクパンに水を入れ、火にかける。

  4. 冷凍しておいた副菜を電子レンジに入れて50秒をオン。

  5. その間に卵を溶いて、味付け(卵のサイズがまちまちなので、さすがに分量は適当)して卵を溶く。生卵が嫌いなので、半滴に全神経を集中させて味見。

  6. 電子レンジの合図で副菜を取り出し、次は冷凍しておいた(まあ市販のことのほうが多いか…)主菜を入れて1分40秒をオン。

  7. その間にウインナーをお湯が沸騰したミルクパンに入れて、コンロの3分のタイマーをセット

  8. 玉子焼き器を火にかけて、温まるまで頭の中で30秒数える(テフロンがダメになったただの鉄だから、これをやらないと全部くっつく。大事。)

  9. 30秒を数えながら、油を敷くキッチンペーパーとお皿を用意。そして電子レンジが終わった主菜を急いで取り出す。

  10. 頭の中の30秒カウントが終わったら、卵を流して玉子焼きを作る。

  11. 玉子焼きを作り終わったら、3分茹だったウインナーも取り出して冷ます。

これで10分強。頭の中で数を数えて、手は自動で動いているので、顔はずっとスナギツネのままです。思考ゼロ。

その昔、学校説明会かなにかで、「お弁当はお母さまからお子さんへのお手紙です」と言われて、のけぞったことがありますが(もちろん素敵な言葉なのだけれど、このご時世に母限定で堂々と言われたのでびっくりした。)、うちのは絶対に、お手紙ではない。


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