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【脳外科医が解説】あなたの頭痛は大丈夫?日常の“ある行動”が引き金になる椎骨動脈解離とは

「何日も頭痛が良くならない・・・」
「急に首の後ろが痛くなってきた」

その症状、もしかすると椎骨動脈解離かもしれません。

今日は、比較的若い人にも発生する可能性があり、ビジネスマンの皆さんにも無縁ではない、「椎骨動脈解離」について、わかりやすく解説します。

まず、「椎骨動脈解離」とは何かを理解するために、動脈の基本構造から見ていきましょう。動脈の壁は内膜、中膜、外膜の三層構造になっています。これが壁同士や層内で裂けると、血流が動脈壁の中に入ります。この状態を「動脈解離」と呼びます。この動脈解離ですが、頭の後ろの方にある椎骨動脈という場所で起こりやすいです。


動脈の構造


椎骨動脈解離のMRI画像

この椎骨動脈解離は、動脈硬化などの一般的な危険因子を持たない若い人のの脳卒中の原因となります。具体的には、40歳代が発症の平均年齢で、男性に多く見られます。原因としては、カイロプラクティックや頸部の捻転を伴うスポーツ、軽微な外傷などが引き金になると言われています。首を捻るような運動やストレッチをするかたは要注意です。

椎骨解離は後頚部や後頭部の痛みで発症することが多いです。解離しただけなら、痛みだけで済みますが、解離の進行に伴い、脳梗塞やくも膜下出血といった重篤な症状を発症する可能性があります。

痛みだけで椎骨動脈解離を診断することはできません。同様の症状を示す疾患として、後頭神経痛など一次性頭痛が存在します。診断には画像が必要でMRI検査が必要となります。

運動をした後や首のストレッチをした後に後頭部や後頚部に痛みを感じたときは椎骨動脈解離の可能性があります。特に、急激な疼痛や、何日も改善しない時は病院受診を積極的にするべきです。

今日の記事が、皆さんの健康管理に少しでもお役立ていただければ幸いです。今後も脳の病気についてシェアをしていきますので、お楽しみに。



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脳外科医あみと が
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