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第5話 販売手数料と主催者の役割

こんにちは、Plum Bloomオーナーの柘植亜美(つげあみ)です。
このnoteでは、2021年1月22日~26日に開催したアジアの雑貨を販売するイベント『TOKYO ASIAN MARKET』のVol.2の裏側について綴っています。

【これまでのお話】
第1話 はじめに|小さなイベントの作り方
第2話 コロナ禍でもイベントを開催しようと思ったワケ
第3話 お客様に安心、安全に届けるために
第4話 物販イベントの準備を「5W1H」で効率アップする方法

第5話の今回は、「イベントで手数料をいただくことに対する私の想い、そして手数料の中身はどういう事に使われているのか」という事について、主催者側のお話をしていきたいと思います。

そもそも販売手数料をどんなことに使うのか

はじめに・・・
東京アジアンマーケットVol.2では委託販売形式を採用しました。イベントの形式と、出品者に発生する費用については第3話でお伝えしました。第3話で詳しくお話ししています。ここでは、費用の中でも、「販売手数料」について詳しくお話します。

東京アジアンマーケットVol.2では、出品者の方にお声がけする際、「販売手数料として、売上の30%をいただくこと」を参加条件とさせていただきました。

仮に1,000円の商品が1つ売れた場合、私が頂く販売手数料は300円、出品者の方へのお支払いは700円です。販売手数料は、イベントが終了し、すべての商品の売り上げを精算した後にいただくことができます。

この販売手数料は、イベント運営にかかるさまざまな経費に充てています。

ピンクと白 ソーシャルメディア戦略プレゼンテーション (4)

イベントにかかる経費には、あらかじめ支払いが必要なものもあります。今回で言えば、会場費や広告宣伝費などあらかじめ支払いが先払い必要な経費は、私(主催者)が前もって支払いを行いました。


(イベント告知のために作成したフライヤー)

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ちなみに、今回の東京アジアンマーケットVol.2にかかった経費で全体を占める割合が大きい二つは、人件費(主催者+アルバイトスタッフ)と会場費です。

委託販売形式で、主催者が出店者にできる価値提供とは

出店者が直接販売をすれば当然、手数料がかからずに販売することができます。イベント主催者があえて販売手数料を頂いた上で、出店者の方々に価値提供できるできることとは何でしょうか。

ここからはイベントコンセプトや主催者によって考え方が様々です。

私はこの委託販売形式のイベントを主催する上で出店者の方に3つの価値を提供したいと考えていました。

1.機会・アイディア創出
2.ブランディング
3.売上の確保

1.機会・アイディア創出
東京アジアンマーケットはアジアのいろんな国の雑貨を扱う出店者が参加するイベントです。国や地域を限定したイベントと違い、アジア全体を好きなお客様がご来場されるため、今までリーチできなかった層にアプローチをすることが可能です。例えば今まで台湾に限定されたイベントに遊びに行っていたお客様がベトナムの雑貨の魅力に気付くかもしれません。

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2.ブランディング
「東京アジアンマーケット」は、小さな規模のイベントですが、Vol.0の時からずっととても良いイベントとして運営ができていると自負しています。そして今後も、出店者の方の経歴に、東京アジアンマーケットを記載して恥ずかしくないようなイベントであり続けたいと思っています。

3.売上の確保
出店者の方には、イベントまでにさまざまなコスト費用(値札付けの手間、梱包・送料など)を負担いただいています。費用、商品を送っていただく費用など、主催者としては、最低でもその分は売上げとして回収する必要があります。また今回は、対面販売のイベントが激減する昨今の状況下でも、しっかりと売上を確保できるイベントとして貢献したいと考えておりました。

この3つの内容について、イベント開催前に確約をすることはできません。しかし、主催者として最大限貢献注力することを自分自身に課し、運営を行いました。

代わりに届け、相互を繋ぐ

ここで、出店者が接客するイベントの風景を少し想像してみてください。
例えば、海外に雑貨を買い付けに行っている方のブースであれば、買い付けた土地の風景や思い出をお客様と共有しながら商品の紹介をするかもしれません。クリエイターの方であれば作品に込められた想いやインスピレーションについてなど。対面の販売形式であれば出店者の方がお店や商品の魅力を直接教えてくれます。

では、お客様に直接伝えることができない委託販売形式の場合、主催者の一番重要な役割とは何でしょうか。それは、出店者とお客様の間に入って、双方に適切な情報をお伝えする事です。

これの赤がほしい!

出店者の魅力をお客様へ代わりにお伝えする
委託販売の形式の場合、出店者の方の声や想いを代わりにお伝えすることになります。同じ情報を伝えるだけなら、出店者本人から伝えるより内容も想いも薄まってしまいます。そのため、東京アジアンマーケットVol.2においては、商品知識を備えた上で、第三者の目線で商品の魅力をアピールし、お客様にお伝えするように意識しました。

現場の情報を出店者にフィードバックする
対面式販売のメリットの一つはお客様と接することで直にマーケティング情報を収集ができる点です。一方委託販売の場合、出店者が当然現場の情報を知ることができません。そのため現場で吸い上げた情報を出店者の方になるべく多くフィードバックするよう努めました。フィードバックには、リアルタイムと振り返りレポートの2種類があります。商品の在庫についてのお問い合わせなど、素早く対応した方が販売機会につながりやすくなる場合はイベント中でも個別に随時。またイベント全体の来場者数や販売傾向などの事実や所感は開催レポートとしてまとめ、後日全出店者にお送りしました。

ただ売ればいいわけではない

商品を委託して頂くということは、出店者の方の大事な商品をお預かりするという事です。下手な販売の仕方をすればその出店者自身の評判を落としてしまう事にもなりかねません。ただ商品を売れば良いのではなく、東京アジアンマーケットに預けていただいた事が出店者の方にとってプラスになるように販売する責任があるのです。

最後に

物販系のイベントには、販売手数料の設定が10%~20%のものもあります。この場合、人件費が主催者側にかからないブース出店型がほとんどです。委託販売では、人件費がかかるため、30%以上に設定される場合が多い傾向にあります。手数料の割合だけ見れば、10%~20%のブース出店型の方が一見出店者の利益が大きいように見えるかもしれません。それは本当にそうなのでしょうか?

次回は、「手数料を払って委託をするときに考えること」についてお伝えします。

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それでは、今回のお話しはここまで。
みなさんまたお会いしましょう~!

Plum Bloom 柘植亜美(編集 中村めぐみ)

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