嫉妬~二次創作ケータイ捜査官セブン~

ケイタは殺させない。
俺が守る。
決意の気持ちで歩き出す。
でもどうやって。
俺にできることは。
気がせくが、CPUのスピード以上には、俺は考えられないのだ。
人間の脳は自在だな。
何も考えないこともできるし、瞬時に何かを思いつくこともできる。
論理を辿る必要もないし、他者に相談も・・・
相談。
相談って、並列分散リンクのことだろうか。

気づくとケイタの町に入っていた。
空を、一直線にセブンが飛んでいる。

飛んで?
え?

ゼロワン!

呼んで、セブンが降りてきた。
着地の途端、腰あたり、携帯の蝶番部分あたりにあった飛行用ジェットらしきものが収納された。

なんだそれは。

じぇっとすくらんだーだ。
マジンガーXというアニメ番組に出てきた後付け型飛行モジュールだ。
飛行安定性はまだまだだが、ケイタに投げられるよりはましなきがする。

気がする、か・・・

ご隠居に作ってもらったのだな。
交流という外付けCPU。
再び並列分散リンクのことを思った。
こいつといまつながったら、ケイタをより強く守れるかも・・・・


そんなことはわかってる。

でも・・・・


どうした。


セブンが問うてきた。


何でもない。
急速充電器、あったら貸してくれ。


ちょっと待ってくれ。

セブンはごそごそとそれを出し、俺に渡した。

前のが壊れたので、今はそれ一つしかない。
大事に使ってほしい。


言わずもがなのことを言い、さらにこう続けた。


何か手伝えることはないか。


コンマ2秒、逡巡した。
が、こう答えていた。


ない。



このときの感情が『嫉妬』だときづいたのは、間明に二つ折りにされたあとだった。


それでも地球は回っている