賞なのになあ・・・

たʅ(´⊙౪⊙`)ʃまちゃん許してくれるかなあ)

いただいたテーマは

『新幹線指定席に乗り込んだらお年寄りが勝手に座ってた話』

タイトルもこれで行ってみました・・・



新幹線指定席に乗り込んだらお年寄りが勝手に座ってた話〔たʅ(´⊙౪⊙`)ʃまちゃんに捧げます〕


新幹線新幹線!
どっからでも東京に着く!
九州新幹線はつかないか。
東北新幹線は基本上野か。
いいやいいや。
気分気分!
俺アーチストになるんだ。
ミュージシャン!
ギター一本でのし上がるんだ!
あまりにもハイテンションだったか、号車通路の窓外みてて、車掌来たのに気付かなかった。

こちらは指定席です。
立つなら自由席車両の通路や号車通路にしてください。

失礼だな。
指定席券ありますよ。ほら。

見せると車掌はちょっとしくった顔つきになったが、番号をしげしげと見てから指差した。

いらっしゃいますよ?

俺の番号。
俺の席!
走って行くと和服の婆ァで、履き物脱いで座席に正座してやがった。

婆ァ!

怒鳴ってどかそうとしたけど、振り返られてぎょっとした。
よねだ。
うちのばあちゃん!
寝返りも自力で打てなくなっていらい、俺の手で介護してきた。
昨日おっ死(ち)んでくれたおかげで俺はこの列車乗れた、はずだ・・・
この手で首を絞めたから。

痛かったよ。
でももう痛くない。
死ぬってけっこうありがたいねえ。

ばあちゃん何だか元気そうで、でも俺は殺人者で。
アーチストどころかこの先は、どこかに収監されちまうんだと理解した。
理解したけど。

クソババア!
6年だぞ!
俺来年30だぞ!

気づいたら俺ギターで自分の席メッタ打ちにしてて。
近くの席のやつがみんな逃げ出して別の車両へ逃げ散っていた。

万事休す。


かくして俺の上京物語は、終着駅待たずに終焉したのだった。





※ 生存バージョンあります

  どちらも御礼作です……

  ご参加ほんとにありがとうございました!


それでも地球は回っている