首相に要求されたもの~迎撃シリーズ最新作~

ゼリウ・スウグに招かれた東洋最初の首相気分でいたが、当然思惑もあるわけで。
わが国は戦車も索敵システムも出せない。
地雷撤去部隊、治療専門部隊、あとは・・・

と、ゼリウが率直に切り出した。

あの部隊を提供してほしい。
少年少女で構成された、あの。
特にななを。

きた!

こればっかりは応じられない。
応じては困るとメリス合国からも釘を刺されている。
それに・・・
ななは出奔している。
貸すどころか、所在すらわからないのだ。

私の沈黙に、ゼリウ・スウグは露骨にイライラし始めている。
ああ。
なんて時期に首相になってしまったのだ俺は。
しょうことなく、私は口を開いた。

ななを貸与することはお互いのためになりませんが、二番手の者を貸与しましょう。

聞き耳を立てていた俺は絶望した。
首相まで俺を見くびってるのか!
こうなったら俺は単独でロス国に突入してやる。
ウラジミル・ヤコフをそのまま連れ出して、ゼリウ・スウグの前に叩きつけてやる!


怒りのままに飛んだかれは、ロス国のESP波探知迎撃レーザーに焼かれた。
即座に。
瞬時に。
黒焦げだった。
あたしの愛したケネス・イイオカは、最後まであたしを、あたしの能力を呪って逝ったのだった。



それでも地球は回っている