隣人〔読み物100〕

 かずとメラニーは二人とも妙だった。
 かずはメラニーが怖いといい、メラニーはメラニーでかずが怖いという。
 私は女だからいちおうメラニーの側に立っていたが、毎日、毎日、かずに増えていく傷が気になっていた。
 そして私はある日もっと怖いことを聞いた。
 メラニーとかずは性的マイノリティで、見ためとはま逆に、かずが女でメラニーが男だと。
 そしてその日、メラニーが私に言ったのだ。
 かずを一緒に殺さない?
 面白いわよ…………


 私は引っ越した。
 ほんとに怖かった。
 かつての自分が追いついてくるようで。

それでも地球は回っている