観光潜水艇〔この話はフィクションであり、実際の事件等には一切関係ありません〕


船の人々は、その小さな艇を見た。
また来たよ。
物見遊山は厭だねえ。
大丈夫。
あの艇(ふね)の中の連中は、われわれの仲間になるから。
おお!

船のバンドマスター、ウォレス・hートリーがまた、讃美歌320番を奏で始めた。

ウォレスはあれがすきだな。

あの時もあれを演奏してた。

もう111年にもなるのか。

早いものだ。


そしてその艇は、二度と浮上しなかったという。

それでも地球は回っている