妙なものが出てきた

とりあえずストーリーをどうぞ。

あとでネタばらしをw


ミキレイン


ミキが泣くと雨が降る。
ミキが泣かないで戦うとき、虹色の光が彼女とともにある。
僕はミキが大好きだった。
泣きそうな気持ちで、泣かないで戦うミキ。
同級生はパンチラがどうとか、設定年齢より胸でかいとか、そんなことばかり言ってたけど、僕にとってミキは、優柔不断な僕自身にカツを入れるための、恰好の動機だった。
そこそこ勉強はできるけど、運動はてんでだめ。
マットをまっすぐ転がってくることもできずに、よく笑われた。
それなのにうちの学校、秋のオワリに長距離走する。
耐久だから速くなくてもいいけど、とにかく走り通さなきゃいけない。
しかもクラス対抗。
僕のせいでうちのクラスが最下位になるのだけはいやだった。
勝てなくてもいいから
負けない!
最後にミキがいつも言うセリフを胸に抱いて必死で走る。
ちまちまと。
運動部ははるか前。
それでも走る。
必死に走る…
ゴール!
僕の後ろに8人いた。

北村。
おまえいがいとやるな。
え?
8人の中に菅田いたろ。
あいつ2年まで陸上でかなりいばってたんだ。
タバコで停学で部活やめて、でも平民越えだろうと思ってたら、あ、ごめん。
峰明、テニス部キャプテンはちょっとうろたえ、でも続けた。
100位以内はとれるだろうと思ってたんだ。
221位ってあるかよ。
あいつ陸上よりタバコ選んだんだよ。

そうか…最後僕が抜いたのは、菅田龍樹だったのか…

このとき僕、うっかり口にしてしまった。
ミキには負けたくなかったから。
あ。
テニス部キャプテンが黙る。
オタってバレた。
終わりだ…

と思ったら

ミキレイン好きなの?
俺も!!


同志だった。

それから卒業まで、僕は大事な友だちを得た。
毎回の感想を語らい、新しい敵や仲間の正体を憶測し、シナリオライターや監督の筋立てにケチをつけ続けた。
一人じゃない。
なんてすてきなことだろう。
でも峰は、今は引退して指導者となっているテニス界の大物、N織Kのテニス道場選抜にうかってしまい、世界修業に出てしまった。
一人淋しく受験して、そこそこ大に合格した。
峰みたいな奴にまた出会えるかもと思ってアニメサークルにも入ったけど、男子はロリエロが多く、女子はボーイズカップリングに夢中…
ストーリーを語り合える友だちにはついに出会えなかった。
しかも作品も方向転換した。
ミキレイン第三シリーズで、ミキはワンステップ上がってリフになり、作品タイトルも「リフレイン」になってしまった。
これまでだって露出過多だったのに、変身時はQTハニーのように一瞬全裸が入るようになった。
ますますグレードアップ、は、トンデモオゲレツになってしまっただけのことで、ライタ一陣一新、は、なぜミキが戦うかなんて考えたこともない人たちで…
ミキのVCちゃんも、売れて鼻高になってしまった。
僕はもう新作を見るのはやめた。

リアルの女の子は、お化粧とファッションと、ちょっとでも楽をしていい結婚がしたいと考えてるようなこが多くて、僕は完全に気後れしてしまった。
だんだん年も上がる。
彼女いない歴イコール年齢。
このまま僕は一人寂しく年を取っていくのだろうか。

といきなりラインが来た。

北村行成! 生きてるか!?
俺今度結婚する!!

けっこんんん!?

売り出しのテニスプレーヤーだからか!?
選び放題か!?

ちがーう!

真由は、俺の本質を理解してくれたんだ!


      ※※※※※


峰君の結婚話に刺激を受け、北村君も出会いの場を探す努力をします。
峰君は真由さんと、△△で出会いました。
△△には様々のタイプの異性がいます。
その中にはきっと、あなたと同じ目線を持つ、あるいは、あなたと同じ魂を持つひとがいる…
試してみませんか?


ロリエロどうし、ボーイズカップリングどうし、ストーリー重視も、聖地詣でも、わかりあうどうし人生を分けあえたら素敵じゃありませんか?

△△は
そんなあなたをお待ちしています


・・・・・・・・。

たぶんこれは、オタ婚活もできるマッチングサイト、とらこんのようなサイトの為の惹句だったんだと思う。

書いたのは三年前の今頃。

ココナラ追い出される直前くらいだったのではないだろうか。

私は面白かったww


それでも地球は回っている