100の美しいものを記述する試み35

エリザベス・エンライト『ひかりの国のタッシンダ』


ファンタジー小説あまたある中で、一番好きかもしれない。
青い目銀色の髪の人だけが存在するひかりの国に、チングロック(鷲のような生き物)の爪にひっかけられて運ばれてきた、茶色の髪、茶色茶色の目の少女。
優しい養父母に育てられ、初恋も経験するが、目も髪も違うタッシンダは、その国の第二王子である彼に、告白できずにいた。
王子には、いいなづけもいて、彼女は青い目銀の髪だ。
叶うはずもないとあきらめそうになっていたその日、ひかりの国を、思わぬ出来事が襲った…

泣かない女の子タッシンダ。
織物の名手タッシンダ。
チングロック、チプトット等の、私たちの知らない動植物、ひかりの国独特の風習、言い回し、争いかたすら忘れるほど平和だった国…


挿絵も美しく独特で、ほんとに素敵な本でした。
偕成社版が絶版になった後、フェリシモが復刻してくれたので今でも読めます。
シンプルで地味ですが、私の一押しジュヴナイルです。


それでも地球は回っている