二次創作なので無断移動持ち出し等絶対厳禁③


美童②〔二次創作・愛の温度〕


たった一度の過ちのつもりが重なった。
女性名に見紛う名のせいか、ジョンソンにも、どこか女性めいたところがある。
取り憑かれたように貪った。
自分が最初に誘わなかったら、こんなことにはならなかった…
そう思っていたのだろう。
この五年間、彼は従順に俺にかしづいていた。
けれど、年頃の男だ。
恋もする。
だが、彼はよりによって、俺の愛した女に恋した。
いや、出会いは彼のほうが先だった。

当時彼女、イ・ヒョンスは、脚本家を志していた。
有名だが凡庸なハイミス脚本家に、アシスタントとして使い捨てにされかけていたところを、拾ったのが俺だった。
美人だが、女性を売り物にしない毅然としたところと、才気あふれた文章力に魅了された。
母親のご乱行と、金銭トラブル隠しを兼ね、シェフ修行に渡仏したジョンソンに、年上の自分は見限られて去られたのだと思い込んで、ヒョンスは長く傷心状態だった。
半ば力を貸し、半ば囲い込み、俺はヒョンスとの間に“絆”を作った。
その間も俺の肉体は、ジョンソンそのものを欲していたのだった。
ジョンソンと寝て、心はヒョンスを愛す。
そんな五年間だったのだ。
でも、二人は再会してしまった。
愛は再燃した。
もともと誤解ですれ違ったのだ。
復活愛は熱く燃えた。
今や俺にとり、一番好きな男と、一番好きな女が愛し合ってるという、ちょっとややこしい関係となっているのだった…

それでも地球は回っている