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ブラッディチャイナタウンが電子書籍になります。

noteで連載していた『ブラッディチャイナタウン』がマンガmeeでの連載になり、いよいよ電子書籍にまとまる事となりました。現在表紙絵や加筆などして準備中です。当初は趣味で書き始めたのでボンヤリこんな終わり方、というラストシーンは考えていましたがその間の紆余曲折はそんなにはっきり考えていませんでした。とりあえず全7巻ぐらいの長さで、と、ご注文いただいて、現在5巻目の頭ぐらいまで到達していますが、1巻の売れ行き次第で今後の長さも変わっていくそうなので、是非電子版『ブラッディチャイナタウン』応援+お買い求めください。
しかしこうして出版社を離れてひとりで漫画を描くようになって漫画を取り巻く状況も本当に変わってきました。出版社を介すると印税の取り分は5%か10%なのが、電子書籍で作家自らが配信すれば手取りは100%自分のものですし、新しい作品のみ優先して営業販売するのが出版社ですが、電子は古い作品でもすぐに家にいながら読者にとどける事が出来ます。電子配信の会社におねがいすればフェアもしていただけます。そして現在、電子が紙を凌駕した結果出版社も黒字になりました。むかし漫画家は月刊〇〇に掲載されたい、連載したい、と目標をもっていましたがそれ自体無意味になった気がします。フラットに、自分の描きたいと思う物語を描けたら…それが私の最近の願いでした。もちろん電子で描いていくのに厳しい事がないとは思いませんが、紙で描いていた頃より読者との距離がより近くなったという気がします。現在は担当さんにいろいろ意見を言ってもらったり、終わりまでの事を考えて進めていますが、営業、販売、編集長、社長などの会社組織の重圧がなくなって、気分的にすごく楽になったのは事実です。『ブラッディチャイナタウン』は女性向けに描いているけれど、現在ある、どんな紙の女性誌でも掲載できないと思います。不況もあって、「ウチの読者層と合わない」と作家に門戸を閉ざすのが利益にナーバスな出版社なので、それは致し方ないと思うのです。しかし私がむかしインディーズバンドに夢中になったのは、普通に商業ルートで誰もが聞いている音楽でない、自由で型にはまっていない音楽を感じたからでした。あの頃のインディーズバンドのような世界を、漫画で、既成の枠にとらわれない楽しさや、理屈でないおもしろさをまだ描いていくことが出来たら。もうすこし漫画を続けてみたいと思います。一時期、漫画を描くことがつらくて、悲しくて、続けていけないかもと思っていましたが、しかし現在はこんな気持ちになっていて、それに運命の不思議を感じます。

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