オタクたちの行動力に私が思うこと
先日から話題を集めている「コミケ献血」の話。コミックマーケットの会期中2日間でなんと約590人が献血に協力するという大盛況に終わったというのは、皆さんもご存じのことと思います。
2日間で約590人。比率はともかくとして、この成果はコミケ参加者たちの呼びかけや善意なくしては絶対に成しえなかったことだと考えています。
宇崎ちゃんの献血コラボキャンペーンがそうだったように、オタクの献血や団結力がまたも大きくクローズアップされたこの出来事。その「オタクの団結力」について、一つ私が友人から聞いた話をしようと思います。皆さんもきっとご存じのことと思われます。
遡ること2005年。当時放送されていたアニメ『魔法先生ネギま!』。私もやっているスマホゲーム「D4DJ Groovy mix」ではカバー版が実装されたことも記憶に新しいそのオープニングテーマ『ハッピー☆マテリアル』。それについてある有名な歌手がFMラジオ番組の中で
「こういうのなくなってほしいですね」
と発言したところ、2ちゃんねるを中心に『ハッピー☆マテリアル』のCDシングルをオリコンチャート1位ランクインさせることを目標とした購買運動が起きたのです。その運動は盛り上がりを見せ、結果として1位ランクインは叶わなかったものの最高でオリコンチャート3位(2005年6月) にランクインするという成果につながりました。
当時のオープニング映像は同曲を発売した「KING AMUSEMENT CREATIVE」 のYouTube公式チャンネルにもアップロードされています。
それに寄せられていたコメントによると『COUNT DOWN TV』 ではランクイン曲として紹介されるとその度に2ちゃんが大きく盛り上がっていた他、『ミュージックステーション』のランキングコーナーでこの曲が紹介された際には司会を務めるタモリさんがびっくりしている姿がワイプに映ったという出来事もあったとか。
アニメソングや声優アーティストが歌う曲が音楽ランキングチャートにランクインすることもよくある今とは違ってまだアニメソングが音楽ランキングチャートにランクインすることやテレビで紹介されることなどめったになく、そもそも深夜アニメ自体が「萌えアニメ」とも称されそれに対する偏見も今と比べてかなり強かった2005年当時。そんな状況においてその主題歌シングルがオリコン上位にランクインしたことに加えゴールデンタイムの音楽番組で曲が紹介される(※)という”快挙”は、ファンの熱心な連携なくしては絶対に成し遂げることなどできなかったことであると言えるでしょう。
(※)当時の音楽番組の中にはその偏見の強さゆえ『ハッピー☆マテリアル』がランキング上位にランクインしているにも関わらず紹介しなかったものもあったという。
それを考えた場合、かねてから「行動力」というものを以て『ハッピー☆マテリアル』に代表される数々の出来事を起こしてきたアニメファンにとって、宇崎ちゃんの献血コラボキャンペーンを巡る献血者数・献血量の大幅上昇および今回のコミケ献血の結果は、もしかしたら朝飯前も同然なことなのかもしれない。と、私も考えています。
一部記載内容の出典:
ウィキペディアの執筆者,2021,「ハッピー☆マテリアル」『ウィキペディア日本語版』,(2022年1月7日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%BC%E2%98%86%E3%83%9E%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB&oldid=87293737).
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